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脱水症の疑いがあるときは、血液検査や尿検査が行われます。

そして、通常は医師に検査結果のデータを見せられ、脱水症と診断された理由を説明されます。

しかし、素人の私たちが検査結果を見ても、検査名やその数字の意味するところを十分に理解することは難しいです。

 

そこで今回は、脱水症状を判断する際の検査値データの見方について解説します。

脱水の検査

脱水症状に陥っているかどうかは、主に次の3つの検査で判断されます。

  1. 理学的所見
  2. 血液検査
  3. 尿検査

では、順番に説明します。

 

 

理学的所見

まず、理学的所見とは、視診、聴診、触診、打診などの基本的な診察で得られる情報をいいます。

脱水症状においては、口の中の粘膜の乾き具合や、腋の下の湿り具合、皮膚のツルゴールの低下(皮膚をつまんだときになかなか元に戻らない)などが参考になります。

 

血液検査

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/pipichichi33/42141900.html

 

血液検査では、主に以下のような指標がチェックされます。

  1. ヘモグロビン量(血色素量)
  2. 血清総たんぱく(TP)
  3. 血清尿素窒素(BUN)
  4. クレアチニン(CRE)

では、これらの検査指標について順番に説明します。

 

ヘモグロビン量(血色素量)

ヘモグロビンは赤血球の大部分を占める血色素であり、ヘムという色素とグロビンというたんぱく質からできています。

赤血球が酸素を運ぶことができるのは、ヘムの主成分であるヘム鉄が酸素と磁石のようにくっつくからです。

なお、ヘモグロビン量の基準値(その検査で正常とされる値)は、以下となります。

男性:13.5~17.5 g/dl

女性:11.5~15.0 g/dl

※SLS-Hb法による

 

脱水により血液が濃縮されることで、ヘモグロビン量が高値になります。

 

血清総たんぱく(TP)

血清たんぱくとは、血液中に含まれる様々なたんぱく質の総称で、成分の約67%がアルブミン、残りのほとんどはグロブリンで、他にフィブリノゲンなどが含まれます。

まず、アルブミンには浸透圧を維持する作用があり、血清の濃さを調節したり、色素や薬剤の運搬をしています。

アルブミンはほとんどすべての病気で減少します。

しかし、脱水症では血液が濃縮されるので、見かけ上アルブミンが高値になります。

 

よって、血清総たんぱくの値も数字上は高値となります。

血清総たんぱくの基準値は次の通りです。

6.7~8.3 g/dl

※ビウレット法

 

ちなみに、血清総たんぱくが基準値の上限より高くなると、高タンパク血症と呼ばれます。

 

血清尿素窒素(BUN)

血清尿素窒素は、腎臓の機能が正常かどうかを調べる代表的な検査です。

尿素はたんぱく質が肝臓で処理された最終産物です。

血液によって腎臓に運ばれ、糸球体で濾過されて尿中に排泄されます。

尿素窒素とは、この尿素に含まれる窒素分のことです。

 

腎機能が何らかの原因で低下すると、本来は捨てられるべき有毒物質を腎臓で尿中に排泄できなくなるために、血液中に増えていきます。

脱水症では腎機能が低下するために尿素窒素の排泄障害が起こり、異常値(高値)を示します。

血清尿素窒素の基準値は次の通りです。

8.0~20.0 mg/dl

※ウレアーゼ-LEDH法による

 

クレアチニン(CRE)

クレアチニンは筋肉運動のエネルギー源として重要な役割を果たしているクレアチンが分解されてできた物質です。

尿酸や尿素窒素と同様に老廃物の一つです。

腎臓の糸球体で濾過されますが、尿素窒素とは異なり尿細管ではほとんど再吸収されずに尿中に排泄されます。

 

クレアチニンは腎臓が正常に働いていれば、尿として体外に排泄されます。

つまり、血液中にクレアチニンが多いということは、腎臓の排泄機能が障害されているということになります。

クレアチニンの基準値は以下の通りです。

男性:0.61~1.04 mg/dl

女性:0.47~0.79mg/dl

※酵素法による

 

高度の脱水症になると、クレアチニンが高い数値を示します。

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尿検査

出典:http://ameblo.jp/forest524/image-12052922781-13372297198.html

 

 

脱水症では、尿量が少なく、尿比重が上がり、尿にケトン体が見られます。

 

そもそも、尿の量と濃さは体内の水分量や電解質のバランスに応じて腎臓で調節されます。

尿中の水分と、水分以外の物質の割合を算出したものが尿比重で、これを調べれば腎臓の尿濃縮能力や希釈能力、体内の水分・電解質などの状態が分かります。

尿比重の基準値1.010~1.030ですが、健康な人でも摂取水分量などの条件によって大きく変動します。

一般的に、1.030以上の場合は、脱水症状、ネフローゼ症候群、糖尿病、心不全、腎不全による乏尿などの可能性があると考えられます。

 

 

まとめ

脱水症の診断では、次のような検査が行われます。

 

  • 理学的所見
  • 血液検査
  • 尿検査

 

検査結果に記された指標や数字の意味がよく分からない場合は、本記事を参考にしてください。

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参考にした書籍

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