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「インフルエンザのワクチンは効果なし、と言われてますけど、実際のところどうなんですか?」

「ワクチンの効果は、どのくらいの期間持続するのでしょうか?」

「ワクチンを打っても、やはりかかるのですか?」

 

ネットの質問掲示板を見ると、インフルエンザのワクチンに関して、上記のような質問が多数寄せられています。

インフルエンザのワクチンについては、予防接種をしたにも関わらず、発症してしまったという声も多く、ワクチンの効果には懐疑的な見方があるのも事実です。

しかし、ワクチンは発症を防ぐよりも、さらに重要な働きがあり、車でいうところのシートベルトのような役割を果たしています。

 

そのため、結論から言うと、ワクチンは接種しておいた方がよいです。

今回は、2017-2018シーズンのインフルエンザで、流行が予想されるウィルスの種類やワクチンの効果などについて解説します。

 

近年流行しているウィルスは?

ワクチンについて説明する前に、まずはインフルエンザウィルスのタイプについて理解しておきましょう。

インフルエンザウィルスには、A型、B型、C型の3種類が存在しています。

A型は、ウィルスの変異※のスピードが早く、香港型のように世界的な大流行を起こすタイプです。

※変異とは、ウィルスの構造が変化することです。

A型は、ウィルスに対する免疫の持続期間が短く、変異型が多い特徴があります。

 

B型は、A型に比べると、ウィルスが変異しにくく、流行の規模は小さいです。

また、A型よりも免疫の持続期間は長くなります。

 

C型は、季節に関係なく、おもに4歳以下の幼児が感染します。

免疫は、一生持続することが多いとされています。

 

ちなみに、症状の重さは、一般的にA型>B型>C型です。

 

そして、例年冬場に猛威を振るうのはA型です。

A型には、さらに亜型と呼ばれるいくつかの種類があり、A/H2N2(Aアジア型)、A/H3N2(A香港型)などのタイプがあります。

インフルエンザウィルスの表面には、糖タンパク質のノイラミニダーゼ(NA)と、血球凝集素(HA)が突起しています。

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出典:http://www.eiken.pref.kanagawa.jp/003_center/0306_topics/files/041228_toriflu/041228-5.gif

 

そして、これらの突起物の組み合わせの違いにより、ウィルスのタイプが異なり、ウィルスはHとNの番号を使って表されます。

 

近年流行しているインフルエンザウィルスは、A/H1N1とA/H3N2(A香港型)、B型の3種類です。

東京感染症情報センターによると、2016年9月時点で、A/H3N2(A香港型)ウィルスが検出されています。

2017-2018シーズンのインフルエンザウィルスの検出状況については、以下の記事で説明しています。

インフルエンザウィルスの流行状況はこちら

 

A/H3N2(A香港型)については、新しい変異タイプのウィルスではないので、ワクチン接種により予防効果が期待できます。

 

続いて、インフルエンザワクチンの種類について説明します。

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ワクチンの種類

まず、ワクチンには、以下の3種類があります。

  • 生ワクチン
  • 不活性化ワクチン
  • トキソイド

生ワクチンは、細菌やウィルスの毒性や発病力を弱めたものを接種することで、その病気に自然にかかった場合と同じように免疫力をつけることができます。

不活性化ワクチンは、毒性をなくした病原体、またはその成分で作ったワクチンです。

トキソイドは、細菌の毒素を取り出し、毒素をなくして、免疫をつくる能力だけを付加させたものであり、不活性化ワクチンの一種です。

 

これら3種類のワクチンのうち、インフルエンザワクチンは、不活性化ワクチンにあたります。

そのため、生ワクチンと比べて、安全性が高いものとなっています。

 

ワクチンの効果

インフルエンザワクチンの効果について、アステラス製薬の公式サイトでは、以下のように説明されています。

健康な成人ではおよそ60%程度の発症を防ぐ効果があると考えられています。

出典:https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/influenza/basicinformation07.html

 

つまり、ワクチンの有効率は60%ということになります。

ただし、これは100人が予防接種を受けたら、60人は発病しないという意味ではありません。

まずは、ワクチンの有効率について正しく理解しておきましょう。

ワクチンの有効率とは?

例えば、予防接種を受けなかった人が100人いるとして、これをAグループとします。

続いて、予防接種を受けた人が100人いるとして、これをBグループとします。

 

そして、Aグループのうち50人がインフルエンザに感染したとします。

また、Bグループのうち20人がインフルエンザに感染しました。

 

ここで、Bグループも全員が予防接種を受けていなければ、Aチームと同じように50人が感染したことが予想されます。

インフルエンザの予防接種を受けたことで、本来50人感染すべきところを20人に抑えたということで、(50-20)/50の計算により、60%の低減効果があるという考え方です。

 

この60%という予防効果が高いか、低いかについては、意見が分かれるところです。

ただ、「ワクチンを受けなくて感染した人の60%は、接種することで発病を回避できた」ということなので、予防接種する価値はあると考えています。

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65歳以上の高齢者の有効率は45%

厚生労働省によると、インフルエンザワクチンの高齢者への予防効果は45%だということです。

※平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。

出典:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

 

高齢者がインフルエンザに感染すると、肺炎や脳症などの重症化する可能性が高いとされており、ワクチンの最大の効果は重症化を防ぐことにあります。

なお、一般的に、インフルエンザワクチンの有効性は、65歳未満の健康な人々で最も高いとされています。

 

小児の予防効果は30%

サラヤ株式会社の公式サイトによると、インフルエンザワクチンの小児※への有効率は30%前後とのことです。

※小児とは、一般的に新生児から思春期となる15歳までの子供をさします。

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出典:http://pro.saraya.com/kansen-yobo/column/nakano/005.html

 

 

予防接種の効果はいつから現れるのか?

インフルエンザのワクチンは、接種してから、1~2週間かけて抗体が作られます。

つまり、予防接種してから、実際に感染予防の効果が現れるまでには、長めに見積もって、2週間くらいかかると考えられます。

予防接種を受けても、抗体ができる前にウィルスに感染してしまうと、発症します。

 

また、インフルエンザの潜伏期間は、2~5日程度と言われており、潜伏期間に予防接種を受けても、発症を防ぐことはできません。

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効果の持続時間と予防接種のタイミング

アステラス製薬の公式サイトによると、インフルエンザの予防接種による効果は、5ヶ月間持続するとされています。

インフルエンザワクチンの効果の発現と持続時間には個人差があります。

一般にはインフルエンザワクチン接種後2週間目頃から5カ月間程度効果が持続するとされています。

出典:https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/influenza/basicinformation07.html

 

インフルエンザは、12月から3月に流行するので、抗体ができるまでの時間(約2週間)も考慮すると、11月下旬までには、予防接種を終えておきたいところです。

 

 

また、生後6ヶ月以上13歳未満の子供は、ワクチンの接種が2回必要です。

1回目の接種から2~4週間ほどの間隔をあけて、2回目を接種します。

2回接種するのは、追加免疫効果を得るためです。

最初のワクチン接種により獲得した免疫機能は、再度抗原となるウィルスに接触することで、より免疫機能を高めることができます。

 

ワクチン接種を迷っている人へ

インフルエンザのワクチンについては、有効率が低いので、接種しても意味がないとする意見もあります。

しかし、ワクチンをシートベルトとみなせば、接種する価値は十分にあると考えられます。

事故に遭遇するかどうかは、シートベルトの着用有無にはほとんど関係ありません。

しかし、実際に事故に遭ったときに、大怪我するか、軽症で済むかにはシートベルトが大いに関わっています。

 

厚生労働省の公式サイトにも、ワクチンは重症化を防ぐうえで有効であると明記されていますし、事実として、65歳以上の健常な高齢者については、約80%の死亡を阻止する効果があったとされています。

 

そのため、ワクチン接種は、インフルエンザ感染、発症を予防するという目的ではなく、発症したときに脳症や肺炎などの重症化を防ぐために行うものだと考えてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

インフルエンザワクチンは、健康な成人では約60%の発症を防ぐ効果があるとされています。

65歳以上の高齢者では約45%、小児※では約30%の有効率となっています。

 

なお、ワクチンは、接種してから効果が現れるまでに約2週間かかり、効果は5ヶ月間ほど持続します。

インフルエンザが流行するのは、例年12月から3月なので、11月下旬にはワクチン接種を完了させておきましょう。

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