風邪や花粉症などで、鼻を何度もかんでいると、そのうちに耳が痛くなったり、耳が詰まったような感じがして、聞こえにくいなどの症状が起こることがあります。

耳の痛みや難聴が現れた場合、急性中耳炎を発症している恐れがあります。

特に、鼻水をかむのが面倒になり、鼻水をすすっている人は要注意です。

その行為こそが、急性中耳炎を招く原因となっています。

 

また、鼻のかみすぎは、鼻の粘膜を傷つけたり、頭痛を起こしたり、鼻の下の肌荒れの原因にもなります。

今回は、鼻のかみすぎで起こる症状と対処法、鼻水の正しいかみ方について解説します。

 

鼻のかみすぎで起こる症状と対処法

鼻を強くかんだり、かみすぎると以下のような症状が起こることがあります。

  1. 鼻の下が荒れる
  2. 鼻血
  3. 頭痛
  4. 耳が痛い、耳がこもる

では、各症状について順番に説明します。

 

鼻の下が荒れる

鼻をかみすぎると、鼻の下や鼻の周りの皮膚に以下のような症状が現れます。

  • 乾燥してカサカサになる
  • 皮がむける
  • 赤くなってヒリヒリする
  • 水疱のようなものができる
    etc

 

まずは、これらの症状が起こる原因について解説します。

 

<原因>

皮膚の表面は、皮脂と汗が混じってできた皮脂膜に覆われており、外界からの有害物質の侵入をブロックしたり、角質層の水分蒸発を防いでいます。

しかし、鼻をかむことで、ティッシュが鼻水と一緒に鼻の下の皮脂膜も拭き取ってしまいます。

そして、皮脂膜が失われると、角質層から水分が逃げていきやすくなります。

 

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出典:http://www.moltolice.co.jp/img1090.gif

 

通常は、皮脂膜が失われても、1~2時間もすれば、元の状態に戻ります。

しかし、その前に何度も鼻をかんでしまうと、皮膚の水分が失われて、カサカサになってしまいます。

また、皮脂膜が機能していない状態で、ティッシュとの摩擦による刺激が繰り返されることで、皮膚が傷ついてしまうこともあります。

 

なお、風邪のときは、上記の理由だけでなく、鼻水の成分自体が皮膚を溶かすことで、肌荒れが起きていると考えられます。

風邪のときの鼻づまりで、何度も鼻をかんでいると、鼻の下が赤く荒れて、ヒリヒリすることがあります。

風邪のときの鼻水には、黄色いネバネバしたものが混じることがありますが、これは細菌と戦って死んだ白血球の死骸です。

 

この死骸の中には、白血球中のタンパク分解酵素が残っていることがあり、鼻の入り口の粘膜や鼻の下の皮膚のタンパク質を溶かしてしまうことがあります。

つまり、皮膚が溶けることで、赤く腫れてヒリヒリした痛みが起きているのです。

 

<対処法・予防法>

鼻をかんだ後に、ワセリンなどの保湿クリームを塗っておくと、皮脂膜の代用となって、皮膚の乾燥や肌荒れを予防できます。

また、マスクを着用することで、鼻の周りを保湿し、乾燥を防げます。

マスクに水をスプレーして、ぬれマスクにするとより効果的です。

 

鼻の下がヒリヒリ痛い場合は、オロナインH軟膏などの皮膚疾患治療薬を塗ることで、ヒリヒリした痛みを緩和し、肌荒れを治します。

 

さらに、皮膚や粘膜の働きを正常に保つには、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6などが有効です。

これらの栄養素が不足すると、皮膚や粘膜が弱くなり、肌トラブルを起こしやすくなります。

そこで、上記の栄養素を多く含む食品を紹介しておくので、花粉症や風邪が流行する季節には、意識して摂取するようにしてください。

 

ビタミンA

ビタミンAは、以下の食品に多く含まれています。

レバー、うなぎ、しそ、モロヘイヤ、かぼちゃ、にんじん、パセリ、しゅんぎく、あしたばなど

 

ビタミンB2

ビタミンB2は、以下の食品に多く含まれています。

うなぎ、さけ、すじこ、レバー、豚肉、卵黄、牛乳、のり、干ししいたけ、わらびなど

 

ビタミンB6

ビタミンB6は、以下の食品に多く含まれています。

鶏肉、牛レバー、卵黄、牛乳、バナナ、アボカド、ぎんなん、ピスタチオ、にんにく、もやし、ブロッコリー、ほうれんそう、まぐろ、かつお、さんま、さけ、さば、いわしなど

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鼻血

鼻を強くかんだときに、鼻腔の粘膜が傷つき、そこから出血することで、鼻水に少量の血が混じることがあります。

この場合、その後はゆっくりと、小刻みに鼻をかみ、少しずつ鼻水を排出させるようにして、それ以上粘膜を傷つけないようにします。

 

なお、鼻を勢いよくかんだ際に、鼻血が出ることもあります。

鼻の入り口には、キーゼルバッハ部位という血管が豊富に分布していて、粘膜が薄いデリケートな場所があります。

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出典:http://tagamiclinic.com/nosebleed/image/kiesselbach_area.gif

 

ここは、指で傷つけたり、のぼせたりといったわずかな刺激でもよく出血することが知られています。

鼻を強くかんだ際に、キーゼルバッハ部位の粘膜が傷ついて、出血することがあります。

 

鼻血が出た場合は、楽な姿勢で椅子に座り、顎を引いて、頭を前に傾け、口で呼吸しながら、小鼻を指でつまんで圧迫します。

通常は、10分くらい安静にしていれば出血は止まります。

ただし、鼻血が止まってもすぐに鼻をかんではいけません。

また、鼻の穴にティッシュペーパーを詰めると、取るときに再度出血することがあるので、注意してください。

 

頭痛

風邪などの感染症や花粉症で起こる鼻炎は、急性副鼻腔炎を合併することがあります。

鼻をかんだときに頭痛が起こる場合、急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を発症している可能性があります。

 

<急性副鼻腔炎>

急性副鼻腔炎は、鼻腔の周囲にある4つの副鼻腔に炎症が起こるもので、風邪などによる鼻腔の炎症が副鼻腔に波及するほか、他の感染症や外傷、虫歯による細菌感染からも起こります。

この病気では、鼻水、鼻づまり、炎症部分の痛み、頭痛、発熱などの症状が現れます。

 

 

<慢性副鼻腔炎(蓄膿症)>

慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が慢性化したもので、副鼻腔炎の炎症が恒常的になって、膿を含んだ鼻水が溜まる病気です。

この病気では、粘性または膿性を帯びた鼻汁が出て、鼻汁が喉へ下りる後鼻漏という症状も起こります。

副鼻腔の炎症を起こした部分に痛みを感じたり、鼻づまりがひどいために頭重を覚えます。

そのため、集中力が持続せず、注意力が散漫になったり、記憶力が低下したりすることもあります。

 

 

 

耳が痛い、耳がこもる

鼻をかみすぎたり、強くかんでいると、耳が痛くなったり、耳がこもって聞こえにくいなど、耳に異常が起こることがあります。

これは、耳の奥の中耳に鼻水がたまっていたり、急性中耳炎を起こしている可能性が考えられます。

「たかが鼻のかみすぎで…」と思うかもしれませんが、SNSを見ると、実際に鼻のかみすぎで急性中耳炎を起こしたという人は意外と多いです。

 

 

 

 

では、ここからは、鼻のかみすぎで急性中耳炎が起こる理由について説明します。

 

まず、鼻と耳は耳管によってつながっています。

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出典:http://1-syuhu.com/wp-content/uploads/2016/04/qa_002.gif

 

左右の鼻を同時にかんだり、鼻を強くかんだり、鼻水をすすってしまうと、鼻水が逆流し、耳管を通じて中耳に流れ込んでしまうことがあります。

鼻水には細菌やウィルスなどが含まれているので、中耳に鼻水たまると、炎症を起こして急性中耳炎になります。

よく海水浴やプールで泳いだ後、急性中耳炎を起こすことがありますが、これは、鼻からはいった水が耳管を通して中耳に達して起こることがほとんどです。

 

急性中耳炎では、激しい耳の痛み、発熱、耳が詰まった感じ、難聴などの症状が現れます。

安静にし、抗生物質、鎮痛剤、消炎酵素剤などを用いて治療にあたります。

通常は、1~2週間で症状は治まります。

 

鼻のかみすぎで耳が痛くなったり、耳が聞こえにくいなどの症状が現れたときは、早めに耳鼻科にかかりましょう。

 

次に、正しい鼻のかみ方について解説します。

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正しい鼻のかみ方

ここでは、正しい鼻のかみ方や鼻をかむときの注意点についてまとめておきます。

  • 軟らかいティッシュを使う
  • 口から息を吸う
  • 片方ずつゆっくりとかむ
  • 鼻をすすらない
  • 鼻水の拭き残しをなくす

では、順番に説明します。

 

軟らかいティッシュを使う

鼻セレブや贅沢保湿などの軟らかいティッシュを使った方が、皮膚への摩擦を軽減できるので、鼻の下が荒れにくくなります。

ただし、やわらかティッシュは値段が高めなので、お金をかけたくない方は、自前でやわらかいティッシュを作ることをおすすめします。

スプレーボトルに保湿化粧水などを入れて、ティッシュに吹きかけるだけでOKです。

 

口から息を吸う

鼻水を押し出すために、口から空気をたっぷり吸い込みます。

そして、息を吸い込んだら、口を閉じた状態で鼻をかみます。

 

片方ずつゆっくりとかむ

少しずつ、小刻みにかみましょう。

両方の鼻を一度にかむと、鼻水が鼻の奥に押しやられ、副鼻腔炎や蓄膿症につながることがあります。

 

鼻をすすらない

鼻水をすすると、細菌やウィルスを含んだ鼻水が耳管を通じて中耳まで達し、中耳炎を起こすことがあります。

そもそも、鼻水が出るのは、鼻腔に入った花粉、チリ、ホコリ、ウィルス、細菌などの異物を体の外に排出させるためです。

そのため、鼻水はすすって鼻の奥に追いやるのではなく、鼻をかんで体外へと出した方がよいです。

 

鼻水の拭き残しをなくす

先に説明したように、風邪にかかっていときの鼻水には白血球の死骸が多く含まれています。

そして、白血球の死骸にはタンパク質を分解する酵素が含まれていることがあるので、鼻の下や鼻の周りに鼻水の拭き残しがあると、酵素の働きで皮膚を溶かしてしまう恐れがあります。

そのため、鼻をかんだときは、鼻水の拭き残しに気をつけてください。

 

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