最近、へその下あたりが痛いと感じることはありませんか?

 

「へその下を押すと痛い。」

「へその下に違和感がある。」

「数日前から、その下を押すと激痛がはしる。」

「1ヶ月以上、痛みが続く。」

「下腹部の痛みに加えて、下痢や頭痛などの症状もある。」

「よくお腹がゴロゴロ、グウグウと鳴る。」

 

おへその下、つまり下っ腹の痛みは、いくつかの病気のサインである可能性があります。

そこで、今回は、下腹部が痛む原因についてまとめておきます。

 

へその下の痛みと病気の関係

下腹部痛は、痛む部位によって、疑われる病気が異なります。

  • へその真下、または下腹部全体が痛む
  • 右下腹部(へその右側の下腹部)が痛む
  • 左下腹部(へその左側の下腹部)が痛む

そこで、それぞれの部位に痛みがでる病気について紹介します。

 

へその真下、または下腹部全体が痛む

下腹部全体に痛みがある場合は、次の2つの病気の可能性があります。

  • 膀胱炎
  • 尿道結石

 

さらに、あなたが女性であるならば、これら2つの疾患に加えて、次の6つの病気が疑われます。

  • 卵巣炎
  • 卵管炎
  • 骨盤腹膜炎
  • 子宮内膜症
  • 月経困難症
  • 子宮外妊娠

では、これら8つの病気について、原因、症状、治療法などを解説していきます。

 

膀胱炎

排尿時の痛み、頻尿、尿が濁るという3つが主な症状です。

排尿痛は、排尿が終わるときに強く現れます。

 

【原因】

膀胱に細菌が感染して炎症が起きる病気です。

10代から40代の女性が多く発症します。

これは、女性は尿道が短く、仕組み上、尿道に細菌が入りやすいためです。

男性の場合は、前立腺炎※が原因となり、膀胱炎を発症することが多いです。

 

※前立腺炎:前立腺は男性器の1つで、膀胱の出口にあって、尿道を取り巻いています。

前立腺の中で炎症が起きた状態が前立腺炎です。

 

細菌が入ってから膀胱炎を起こすには、感染を誘発する要素があります。

それが、過労、風邪、生理、妊娠などにより、抵抗力が落ちている状態です。

また、排尿を我慢しすぎても膀胱炎になります。

 

【症状】

急に頻尿、排尿痛、残尿感を感じたり、あるいは尿の濁りや血尿が起きます。

 

【治療】

水分の十分な補給と排尿を我慢しないことが基本となります。

原因となる細菌に有効な抗生物質などの薬物療法を行うと、通常は2~3週間で治ります。

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尿道結石

左右どちらかの上腹部、わき腹、腰、下腹部などに強い痛みを感じ、血尿、頻尿、残尿感などが現れることもあります。

 

【症状】

排尿中に急に尿が出なくなって、尿道に痛みがでます。

男性の場合、痛みは性器の先端まで走りますが、結石が膀胱に近いところにある場合は、肛門の近くまで痛みます。

 

【治療】

自然に排出しない場合は、治療が必要です。

 

卵巣炎

発熱、下腹部の激しい痛み、おりものの増加、吐き気などが見られます。

片側の場合は、左右どちらかの下腹部に痛みが出ます。
【原因】

大半は、卵管炎が進行したもので、連鎖球菌、大腸菌、ぶどう球菌、淋菌、結核菌、クラミジアなどが原因菌です。

多くの場合は、分娩、中絶、早産、流産、男性との行為などの際に感染すると考えられています。

【症状】

下腹部痛、発熱、多量のおりもの、不正出血、腰痛などがあります。

【治療】

下腹部を冷やします。

安静のために入院し、慢性期に入る前に、原因菌に合った抗生物質を投与します。

その効果が認められない場合は、患部を摘出します。

 

 

卵管炎

卵巣炎と同様に、発熱、下腹部痛、おりもの増加、吐き気などが見られます。

【原因】

卵巣炎と同じく、連鎖球菌、ぶどう球菌、大腸菌などが原因菌として挙げられます。

また、分娩、中絶、流産、早産、月経時の不衛生な状態、男性との行為などで細菌に感染し、卵管が炎症を起こします。

【症状】

急性の症状としては、発熱、悪寒、下腹部痛、吐き気、膿のようなおりもの、出血などが見られます。

慢性に移行すると、下腹部の鈍痛、腰痛などが起こり、月経時にそれらの痛みが強まります。

同時に、おりものが増加したり、出血なども見られます。

【治療】

入院して安静にします。

慢性化する前に、原因菌にあった抗生物質を投与し、効果がない場合は手術を行います。

 

骨盤腹膜炎

女性特有の腹膜炎で、下腹部の激痛、発熱、吐き気、嘔吐などの症状が起きます。

虫垂炎など腸管の病気から骨盤腹膜炎を起こすこともあります。

【原因】

ぶどう球菌、連鎖球菌、大腸菌、クラミジアなどが原因菌です。

大半は、子宮内膜炎、卵巣炎、卵管炎、虫垂炎などの炎症が広がって、2次的に起こる病気です。

 

【症状】

激しい下腹部痛があり、高熱、悪寒、ふるえ、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などをともないます。

また、いったん症状が治まっても、慢性期に移行した場合は、癒着などが原因で下腹部にひきつったような痛みがでたり、鈍痛、腰痛などが見られます。

【治療】

入院したのちに、原因に即した抗生物質や消炎、鎮痛剤などで治療します。

 

子宮内膜症

月経が始まる数日前から月経2日目までの持続的な月経痛が特徴であり、主に下腹部痛や腰痛などが見られます。

痛みのピークは、月経1日目です。

子宮内膜症は、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様などの組織が、子宮以外の部位に発生して、女性ホルモンの刺激を受けることで増殖する病気です。

 

【原因】

卵胞ホルモンの分泌が盛んな成熟期や妊娠の経験のない人がかかりやすいことから、卵胞ホルモンの過剰分泌が原因ではないかと考えられています。

発生メカニズムは未だに解明されていません。

最近、20代~40代の女性を中心に増えている病気です。

【症状】

主な症状としては、月経時以外における下腹部の痛み、性交時の痛み、排便痛などです。

【治療】

ホルモン療法、または手術を行います。

主なホルモン療法には、偽妊娠療法と偽閉経療法があり、いずれも内膜症の組織を縮小させたり、異常な内膜の増殖を抑えようとする治療です。

ホルモン療法で効果が見られない場合は、手術を行いますが、療法の卵巣を取ってしまう場合と、病巣だけを切除する温存手術があります。

温存の欠点は、再発のリスクがある点です。

 

月経困難症

下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、イライラなど月経にともなう症状が病的に強く、日常生活が困難となります。

月経困難症は、生理痛がひどくて、日常生活に支障がでるような場合をいいます。

【原因】

月経困難症には、機能性月経困難症と器質性月経困難症の2種類があります。

まず、機能性月経困難症は、子宮の発育不全、黄体ホルモン(※)の分泌不全、月経時に子宮内膜で作られるプロスタグランジンの過剰産生による子宮への刺激などが原因とされています。

プロスタグランジンは、頭痛、嘔吐、疼痛の原因となります。

※1:黄体ホルモンとは、妊娠に必要なプロゲステロンというホルモンのことです。

 

続いて、器質性月経困難症は、子宮筋腫、子宮内膜症、骨盤内の炎症、充血などによるものが多く、子宮の奇形によることもあります。

【症状】

下腹部の痛み、腰痛、頭痛、イライラ、下痢、腹部の圧迫感、脱力感などのつらい症状が月経中の数日間続きます。

【治療】

器質性の場合は、病気を治療します。

機能性の場合は、症状に合わせて、ホルモン療法や、精神安定剤の投与などを行います。

 

子宮外妊娠

月経が送れ、急な下腹部痛と少量の出血が典型的な症状です。

【原因】

子宮腔以外の場所に着床して、妊娠してしまうものです。

ほとんどが卵管に起こりますが、卵管炎などで卵管が通りにくくなっていることが原因です。

処置が適切であれば確実に助かりますが、放置して手遅れになると死亡することもあります。

【症状】

突然強い腹痛がおき、出血して腹部が膨満してきます。

さらに重症になると、ショック状態を起こします。

【治療】

輸血、輸液をしてから手術を行います。

虫垂炎などとの鑑別が必要なこともあります。

続いて、右下腹部が痛む原因について解説します。

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右下腹部(へその右側の下腹部)が痛む

右の下腹部が痛い場合は、虫垂炎の可能性があります。

虫垂炎

虫垂炎の場合、最初はみぞおちやへそのあたりが痛くなり、徐々に痛みが右下腹部へと移動していくのが特徴です。
【症状】

虫垂炎は、最初にみぞおち付近の痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

そして、みぞおちの痛みは、少しずつ部位を変えながら、徐々に痛みがひどくなり、最終的には虫垂のある右下腹部に痛みが現れます。

発熱、下痢、便秘などをともなうこともあります。

【治療】

虫垂炎の治療としては、入院して切除手術を受けることが必要です。

ただし、症状の程度によっては、手術をせずに、抗生物質などで保存療法を行うこともあります。

 

次に、左下腹部が痛い原因について解説します。

左下腹部(へその左側の下腹部)が痛む

左の下腹部が痛む場合は、こちらの3つの病気の可能性があります。

  • 過敏性腸症候群
  • 腸炎
  • 潰瘍性大腸炎

では、1つずつ原因、症状、治療法を見ていきましょう。

過敏性腸症候群

下痢と便秘を交互に繰り返し、腹痛、腹部不快感、腹鳴などをともないます。

頭痛、めまい、動悸、疲労感など自立神経失調症状や精神神経症状も見られます。

【原因】

胃腸は精神的な影響を受けやすい臓器なので、悩みやトラブルなどの精神的なストレスによって、自律神経系統が乱れ、腸の運動や分泌機能が過敏になって便秘や下痢といった便通異常を起こすのがこの病気です。

大腸だけでなく、胃や小腸にも以上が見られるため、過敏性大腸炎という病名より、過敏性腸症候群という言葉が適切です。

【症状】

便秘や下痢のほかに、腹痛、腹部不快感、腹鳴などが起こります。

また、頭痛、めまい、動悸、肩こり、不眠など自立神経失調の症状も現れます。

便秘や下痢については、それを交互に繰り返すものと、男性に多い下痢型や、女性に多く見られる便秘型があります。

ただ、下痢や便秘が続いても、身体には衰弱などが現れることはありません。

【治療】

腸に病変があるのではなく、あくまでも精神的なもの原因なので、規則正しく、精神的に余裕のある生活をすることが必要です。

薬物療法は、通常整腸剤や精神安定剤を使用する程度ですが、男性の下痢型には治療薬があります。

 

腸炎

腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。

差しこむような痛みや鈍痛をへそのあたりに感じることが多いです。

なお、腸炎には、急性腸炎と慢性腸炎の2種類があります。

<急性腸炎>

【原因】

腐った食品や細菌に汚染された食品を食べたとき、または抗生物質などを服用した場合に下痢などが起こるものです。

腸に病変はなく、一時的な胃腸の不調でもよく見られます。

家庭での養生で治るものから、ただちに医師の診察を必要とするものまで様々です。

【症状】

急な下痢のほか、嘔吐、腹痛などが現れます。

下痢には血液が混じることもあり、細菌性の腸炎では発熱もともないます。

【治療】

安静と保温を心がけ、脱水で減った水分の補給をします。

症状が落ち着けば軟らかいものを食べさせます。

 

<慢性腸炎>

【原因】

少なくとも数週間は下痢が続くものです。

原因は、はっきり分かっていませんが、腸内の細菌の数の増減や精神的な状態が影響しているのではないかと考えられています。

腸のポリープや消化器系統の癌で起こるものもあります。

【症状】

軟便から水様性の便まで、様々な状態の下痢が起こりますが、急性腸炎ほど激しくはありません。

また、下痢だけでなく、下痢と便秘を繰り返すことがあるのも、この病気の特徴です。

【治療】

食生活の改善が治療の基本となります。

油っこくなく、高タンパク質の食事をし、胃腸に負担を与えないようにしましょう。

アルコールや冷たいものなどの刺激物も避けます。

医師の指示による薬物療法も行います。

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潰瘍性大腸炎

血便、腹痛、しぶり腹(※)などで、1日に何度も便意が起こるのが特徴です。

※しぶり腹とは、頻繁に便意をもよおすものの、肛門括約筋の痙攣が原因で少量の排便しかできない状態のことです。

重症になると、発熱、頻脈、貧血、体重減少などをともなうこともあります。

【原因】

大腸、特に直腸の粘膜がただれて、潰瘍などができるものです。

はっきりした原因は分かっていませんが、免疫と関係があると考えられています。

20代での発症が多く、厚生省が難病に指定しています。

【症状】

炎症の広がりの程度によって症状にも差が出てきます。

まず、粘膜や血の混じった便や下痢が起こり、腹痛や発熱が現れます。

病変は、直腸だけのものから、広がると大腸全体にまでおよぶものまであります。

症状も最初は便に血液が混じって1日数回の下痢をするものから、ひどくなると1日5回以上の下痢と発熱が現れるものまであります。

慢性になると、病状がはっきり現れるものと、治ったように思えるほど潜伏する場合があります。

また、各種のストレスも病状を悪化させます。

【治療】

消化がよく、栄養価の高い食事をします。

症状に応じて、様々な薬物療法を行いますが、内科的治療で効果が得られない場合は、手術で大腸を切除してしまいます。

最後に、へその下が痛い場合の対処法について説明します。

 

へその下が痛い場合の対処法

さて、ここまでは、へその下に痛みがでる病気について説明しましたが、下腹部痛は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、刺激の強い食べ物の摂取、冷えなどによる、一時的な消化不良が原因の可能性もあります。

消化不良により、下痢などの症状とともに下腹部に痛みでている場合も多いです。

このような場合は、脂肪の多い食品、食物繊維の豊富な野菜など胃腸に負担や刺激を与える食べ物は控えてください。

そして、下痢を繰り返すと脱水症状に陥る危険があるので、水分をこまめに摂ることも大切です。

 

一方で、下腹部に激しい痛みがはしる場合や下っ腹の痛みが継続する場合は、内科、胃腸科、消化器科で診察を受けましょう。

また、下腹部の痛みだけでなく、尿・便の異常、嘔吐、発熱、頭痛、めまい、動悸など、本記事で紹介した病気の症状に当てはまる場合もすぐに医者にかかることをおすすめします。

 

まとめ

この記事では、へその下(下腹部)に痛みをともなう病気について解説しました。

下っ腹の痛みには、様々な病気が潜んでいる可能性があるので、早めに病院で診察を受けましょう。

「大きな病気だったら怖いから…」と病院へ行くのに二の足を踏んでいると、薬で治るはずだったところが、手術が必要になってしまうことにもなりかねません。

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