タミフル、リレンザ、シンメトレルと並ぶインフルエンザ感染症の治療薬としてイナビルが挙げられます。

イナビルについては、ヤフー知恵袋などの質問サイトにおいて、以下のような質問が見られます。

 

「イナビルを吸引してから、解熱効果が出るのは何時間後ですか?」

「イナビルの効果は、いつまで続くのでしょうか?」

 

そこで、今回はイナビルの効果が発現するまでにかかる時間やその持続時間などについて解説します。

イナビルの効果は何時間後に出るのか?

先に結論から言うと、イナビルの効果は、一般的に服用から約3~6時間後に発現すると考えられます。

では、ここからはその理由について説明します。

 

薬を飲むと、その成分が小腸などで吸収されて血液中に入り、全身を循環します。

そして、血液中の薬の成分が一定の濃度以上になると、薬が効き始め、濃度が一定に保たれている間は効果が持続します。

通常、薬の吸収が終わるころに、薬の成分の血中濃度(薬物血中濃度)は最も高くなります。

そして、薬物血中濃度が最大値に到達するまでの時間(Tmax)が、効果発現時間の目安となります。

 

ここで、イナビルの添付文書によると、イナビルの成分・ラニナミビルオクタン酸エステルの血中濃度が最大に達するのは、平均で4時間(最小で3時間、最大で6時間)となります。

 

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出典:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058821.pdf#search=%27%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%AB+%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8%27

 

上図は、イナビルの添付文書に記載されている薬物動態の説明箇所を一部抜粋したものです。

上のグラフを見ると、薬を服用してから約4時間後に薬物血中濃度が最大に達していることがわかります。

また、表の赤枠で囲んだ箇所を見ると、イナビルを20mg、あるいは40mg投与した場合、どちらも平均4時間(最小で3時間、最大で6時間)で、イナビルの成分・ラニナミビルの血中濃度が最大に達しています。

 

以上から、イナビルの効果発現時間は、服用してから約3~6時間後と考えられます。

 

ただし、薬の効き目や効果が発現するまでの時間については、個人差が大きいです。

SNSを見ると、以下のように、早い人だと服用してから1時間後に解熱効果が現れたとするコメントもあります。

 

 

効果の発現時間については、個人差も大きいので、あくまで参考程度にとどめておいてください。

 

では、次にイナビルの効果の持続時間について説明します。

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効果はいつまで続くのか?

こちらも先に結論から言うと、イナビルの効果はおおよそ60~70時間まで続くと考えられます。

 

薬が体に吸収されて、薬物血中濃度が最大に達すると、その後は薬の成分が血液にのって全身をめぐる間に、一部が肝臓に取り込まれて代謝されます。

そのため、薬物血中濃度は時間とともに低下していき、薬の効果も徐々に落ちていきます。

例えば、痛み止めを服用してからしばらく経つと、痛み止め成分の血中濃度が上昇し、薬の効果が現れ始めて、痛みが引いていきます。

しかし、それから数時間経つと、再び痛みがぶり返してきます。

これは、薬物血中濃度が低下し、薬の効き目が落ちてきたためです。

 

ここで、ある時点における薬物血中濃度が、半減するまでにかかる時間のことを半減期(T1/2)と呼びます。

以下のグラフに示したように、薬物血中濃度がMAXに到達した後、MAX値の半分の濃度まで減少するのにかかる時間が半減期となります。

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例えば、半減期が2時間の薬の場合、血中濃度が最大に到達した時間から2時間が経過すると、血中濃度はMAX値の50%になります。

そこからさらに2時間が経過すると、血中濃度はMAX値の25%となります。

 

これを繰り返していくと、血中濃度が最大に到達した時間から8時間が経過すると、薬の成分の血中濃度はもとの6.25%しか残っておらず、体内からほとんど消失してしまうことになります。

つまり、効き目もほぼなくなっていると考えられます。

 

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出典:https://www.jscpt.jp/ippan/kusuri/q03_06.html

 

このように、半減期が分かれば、薬の効果の持続時間をおおよそ推察することができます。

 

では、イナビルの半減期はというと、添付文書を見てみましょう。

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http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058821.pdf#search=%27%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%AB+%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8%27

 

赤枠で示したように、イナビルでは、20mg投与で半減期は平均66.6h、40mg投与で半減期は平均74.4hであることが分かります。

 

つまり、ここまでの説明をまとめると以下のようになります。

イナビルを吸引すると、約3~6時間で薬物血中濃度は最大に到達し、解熱などの効果が現れ始めると考えられます。

そして、そこから薬物血中濃度が半分に減少するまでには(薬の効き目が弱くなるまでには)、60~70hくらいかかることになります。

 

よって、イナビルを1回吸引すれば、少なくとも60~70hは効果が持続すると考えられます。

 

さて、ここまでの説明で、イナビルの効果発現時間と持続時間については、ご理解いただけたかと思います。

そこで、次は、イナビルを服用すると、何日で症状が治まるのかを説明します。

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服用してから何日で症状が治まるのか?

こちらも結論から言うと、服用からおおよそ73h後(3日後)には、インフルエンザの症状が治まると考えられます。

これは、イナビルの添付文書を見ると、すぐに分かります。

 

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出典:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058821.pdf#search=%27%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%93%E3%83%AB+%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8%27

 

上表の赤枠で示したように、イナビルの罹病時間は約73時間です。

ここで、罹病時間とは、イナビルの初回投与からインフルエンザのすべての症状(発熱、喉の痛み、咳、頭痛など)が消失、または軽度に改善し、その状態が21.5時間以上持続するまでの時間のことです。

簡単に言うと、薬を投与してから病気が治るまでにかかる時間だと考えてください。

 

以上から、イナビルを服用すると、約73時間後にインフルエンザの症状が治まると考えられます。

まとめ

イナビルを吸引すると、約3~6時間後に薬物血中濃度がMAXに到達し、解熱などの効き目が現れ始めます。

そして、そこから60~70hほど効果が持続します。

一般的には、イナビル服用から約3日ほどで、インフルエンザの症状は治まります。

 

なお、イナビルの副作用、作用機序、薬価、服用方法などについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

イナビルの副作用、予防投与、薬価について解説|小児の異常行動に注意せよ!

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