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お風呂に入っているときや用を足したときに、股関節(脚の付け根)にグリグリしたしこりを見つけたことはありませんか。

普通にしていると痛くないのに、押すと痛いと感じたり、触った手が臭うことがあります。

しこりには良性のものと、悪性のものがあり、ほとんどは良性であることが多いのですが、まれに悪性の腫瘍ができていることがあります。

特に押しても痛くない場合、股関節以外に首や脇の下など何ヶ所もしこりができた場合、発熱、体重減少、寝汗などの症状が現れてきた場合は悪性腫瘍の疑いがあります。

 

今回は、股関節にしこりができる原因について解説します。

 

股関節のしこりの原因

股関節にしこりができるのは、次のような原因が考えられます。

  1. 急性リンパ節炎
  2. 粉瘤
  3. 脂肪腫
  4. 梅毒
  5. 性器ヘルペス
  6. 鼠径部ヘルニア
  7. 軟部肉腫
  8. 悪性リンパ腫

 

では、順番に説明します。

 

 

急性リンパ節炎

急性リンパ節炎は、細菌感染などによってリンパ節に急性の炎症が起こる病気です。

鼠径部(脚の付け根)には、内蔵からのリンパが集まる鼠径リンパ節があり、頸部や腋窩と並んで急性リンパ節炎が起こりやすい部位です。

例えば、足に傷があると、そこから細菌が侵入してリンパ節に運ばれ、鼠径部のリンパ節が腫れて痛くなることがあります。

 

急性リンパ節炎では、リンパ節が腫れて硬くなり、手で触るとグリグリとしたしこりがあって、痛みも伴います。

治療では、抗生物質の使用が必要なことが多いので、早めに医師の診察を受けた方がよいでしょう。

なお、この病気は風邪などの感染症が原因でも起こります。

 

 

粉瘤

粉瘤は皮膚に発生する良性の腫瘤です。

袋状で、手で触ると皮膚内にしこりを感じます。

袋の中には角質が詰まっており、強く押すと悪臭のする膿のようなものが出てきます。

 

粉瘤は良性腫瘍なので、小さいうちは経過を観察しておけばよいのですが、大きいものは手術により切除します。

赤く腫れている場合は、細菌感染を起こしている疑いがあるので、皮膚科などに相談し、抗生物質を内服して治療します。

 

脂肪腫

脂肪腫は、皮膚に脂肪の入ったこぶができるもので、良性腫瘍です。

こぶは、触れると軟らかいです。

脂肪腫は脂肪がある部位なら、どこにでも発生します。

 

大きくて生活に支障が出る場合や美的に気になる場合は手術により腫瘍を取り出します。

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梅毒

梅毒は、トレポネーマパリダという細菌の感染で起こる病気です。

主には性行為で感染する代表的な病気です。

この病原体は皮膚や粘膜から侵入し、血液を介して全身に広がり、様々な症状を引き起こす慢性の感染症です。

 

梅毒は症状が現れたり、消えたりしながらゆっくりと進行していきます。

 

症状

まず、トレポネーマパリダは、性器、唇、乳房、指などから感染します。

そして感染から約3週間すると、侵入場所に痛みのない硬いしこりができ、その周囲が盛り上がって中心に潰瘍をつくります。

その後、侵入部位の近くのリンパ節がかたく腫れますが、痛みはありません。

これらの症状は2~3週間で消えてしまいますが、この間に病原体は血液にのって全身に広がります。

 

そして、感染後3か月から3年が経過すると、全身に広がった病原体により皮膚や粘膜に発疹が現れ、頭髪の脱毛も見られます。

他にも全身症状として微熱や全身倦怠感なども現れます。

 

治療

梅毒の治療では、細菌を死滅させる効果があり、現在までに耐性の報告がないペニシリンを第一に使います。

ペニシリンにアレルギーのある人は、ミノサイクリン、ビブラマイシン、アセチルスピラマイシンなどが使われます。

 

性器ヘルペス(女性)

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型または2型の感染によって起こります。

主に外陰に感染し、水疱や潰瘍ができます。

性器ヘルペスは性交によって感染する代表的な性感染症です。

 

この病気は急性型と再発型に分けられます。

まず、急性型はウィルス感染の機会(性交など)から3~7日目頃に発症するタイプです。

症状はまず外陰に軽いかゆみが起こり、その後間もなく、強い痛みと腫れを感じます。

小陰唇の内側や大陰唇の左右対称部位に水疱が多発し、数日のうちに破れて潰瘍となります。

 

さらに、鼠径部のリンパ節が腫れて痛むこともあります。

性行動の活発な女性に多発し、痛みのために歩けなくなったり、排尿困難になることがあります。

 

続いて、再発型は、すでに体内に潜伏感染しているウィルスが、疲労、月経、病気などをきっかけに外陰部に発症するものです。

水疱や潰瘍が繰り返し現れるタイプです。

一般に性交とは無関係で、症状も急性型よりは軽いのが特徴です。

 

治療では、まず外陰部を清潔にします。

痛みが強い場合は、鎮痛薬の内服や表面麻酔薬のゼリーを塗って対処します。

抗ウィルス薬として、アシクロビルの内服、軟膏塗布や、バラシクロビルの内服により1週間くらいで治ります。

ただし、いずれも根治的薬剤ではないので、しばしば再発することがあります。

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鼠径部ヘルニア

腸などの内蔵が、鼠径部から外に飛び出して膨らんでくる病気です。

腸が出てくることが多いために、俗に脱腸と呼ばれていますが、腸以外に大網(胃から腸にかけての腹膜)や卵巣などが脱出することもあります。

鼠径部ヘルニアは、子供と高齢者に比較的多く見られますが、すべての年齢で起こります。

 

原因

成人の場合は、加齢により鼠径部の構造が弱くなったり、飛び出しやすい形をしている状態が背景にあります。

そして、重い物を持ったり、便秘や咳などにより腹圧が高くなったことをきっかけに脱出するようになります。

また、前立腺の手術後にヘルニアが発生しやすいとされています。

 

症状

鼠径部(太ももの付け根)に膨らみが見られます。

多くは腹圧をかけると飛び出し、仰向けになると元に戻ります。

痛みや違和感をともなうこともあります。

 

放置すると次第に大きくなり、男性の場合は陰嚢に達することもあります。

腸が元に戻らない場合は、腸閉塞となり腹痛や嘔吐、発熱が見られ、緊急手術が必要となります。

 

治療

成人の鼠径部ヘルニアは自然治癒することはありません。

放置すれば大きくなり手術が困難になったり、嵌頓(腸がはまり込んだ状態)による腸閉塞のリスクもあるため手術が行われます。

手術以外に根本的な治療法はありません。

 

軟部肉腫

まず、肉腫とは上皮細胞以外の細胞から発生する悪性腫瘍をいいます。

骨、軟骨組織に発生する骨肉腫、筋組織に発生する筋肉種、神経組織に発生する神経肉腫、軟部組織に発生する軟部肉腫、血管に発生する血管肉腫などがあります。

 

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ組織を構成するリンパ節などの細胞が悪性化して増殖し、腫瘤をつくるものです。

リンパ節が腫れて、グリグリしたしこりができますが、押しても痛くはありません。

しこりが発生しやすい部位は、首、脇の下、脚の付け根などです。

 

病気が進行すると、発熱や体重減少、寝汗などの症状が現れてきます。

 

病気が進行していない場合は主に放射線治療が行われます。

病気が広がっている場合は、抗腫瘍薬などを使用する化学療法が主体になります。

 

病院は何科?

股関節のしこりは、外科、皮膚科、形成外科などで診察を受けられます。

また、総合病院に問い合わせると、最初にどの診療科を受診すればよいのかアドバイスしてもらえるので、こちらの方がよいでしょう。

 

まとめ

股関節のしこりは、粉瘤や脂肪腫、リンパ節の腫れなどが原因で形成されることが多いです。

たいていは良性なのですが、まれに悪性リンパ腫のような悪性腫瘍ができている場合もあります。

素人が区別することは難しいので、以前はなかったしこりを見つけたり、しこりが徐々に大きくなっている場合などは早めに医療機関を受診しましょう。

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