夏場は、食欲不振、冷房による冷え、暑さによる睡眠の質の低下、自律神経の乱れなどから、体力や免疫力が低下しやすく、風邪などの感染症にかかりやすい季節です。

夏に流行する風邪といえば、ヘルパンギーナ、プール熱、手足口病などが有名です。

これらは子供が罹患しやすいウィルス感染症ですが、子供からの二次感染などにより大人がかかることもあります。

 

そして、大人がかかると長引いたり、重症化したりするケースもあるので、注意が必要です。

今回は、2017年の夏風邪の症状や早く治す方法などについてまとめておきます。

 

夏風邪の種類

夏風邪の症状を説明する前に、まずは夏風邪の種類について知っておきましょう。

 

原因ウィルスと特徴

風邪を引き起こすウィルスは、200種類以上にものぼりますが、多くは寒くて乾燥した環境を好みます。

しかし、以下のようなウィルスは高温多湿の環境を好み、これらが夏風邪を引き起こす代表的なウィルスです。

  • アデノウイルス
  • エンテロウイルス
  • コクサッキーウイルス

 

では、それぞれのウィルスの特徴について簡単に説明しておきます。

 

 

アデノウイルス

アデノウイルスは、現在51種類が確認されており、それぞれ呼吸器、消化器、眼球結膜などに感染します。

ウィルスの種類によって症状は異なり、発熱、胃腸炎、肺炎、結膜炎、上気道炎などを引き起こします。

また、膀胱炎や股関節炎を引き起こすタイプもあります。

 

アデノウイルスの潜伏期間は3~7日程度の短いものばかりですが、まれに無症状のまま数年にわたり持続感染するケースもあります。

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エンテロウイルス

エンテロウイルスには、コクサッキーA群、コクサッキーB群、エコー、ポリオなど様々な種類の病原ウィルスがあります。

主な感染経路は、糞口感染や飛沫感染です。

咽頭で感染し、消化管でウィルスが増殖します。

エンテロウイルスが原因で生じる代表的な疾患は、急性上気道炎、胃腸炎、ヘルパンギーナ、手足口病、無菌性髄膜炎、ポリオなどです。

 

コクサッキーウイルス

コクサッキーウイルスは、喉の炎症や発熱を引き起こすウィルスです。

 

 

代表的な夏風邪の種類

さて、夏風邪の原因となる代表的なウィルスは、アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスであると説明しました。

これらのウィルスによって引き起こされる夏風邪には、次のような種類があります。

  1. プール熱(咽頭結膜熱)
  2. 手足口病
  3. ヘルパンギーナ

 

次項では、これらの病気の症状について解説します。

 

夏風邪の症状

ここでは、プール熱(咽頭結膜熱)、手足口病、ヘルパンギーナの症状や治療法などについて説明します。

 

プール熱(咽頭結膜熱)

プール熱は、主にアデノウイルスの3型や7型の感染で起こる感染症です。

学校のプールの授業などが原因で集団発生することがよくあります。

晩春から夏にかけて多発し、幼稚園や小学校へ通う子供がかかりやすいです。

 

症状

急に寒けがして、39~40度の高い熱が出ます。

また、喉が赤く腫れて痛み、首のリンパ節も痛みます。

結膜炎で目が赤くなり、目がゴロゴロして痛み、明るいところでまぶしく感じ、涙や目ヤニが出ます。

他にも、咳、痰、鼻汁、下痢、腹痛などの症状が現れることがあります。

 

熱は3~4日ほど続き、その他の症状は1週間くらいで治ります。

 

治療

熱が高い場合は、解熱剤を服用します。

目の二次感染を防ぐため、抗生物質の眼軟膏や点眼を用いることもあります。

下痢が強い場合は、高熱とあいまって脱水症を起こすことがあるので、水分補給に注意します。

熱が高い場合は小児科、目の症状が強い場合は眼科を受診します。

 

 

手足口病

コクサッキーウイルスA群16型、エンテロウイルス71型などの腸内ウィルスの感染により、手、足、口に水疱性の発疹が現れる病気です。

生後7ヶ月~4、5歳の子供がかかりやすいです。

夏に流行することが多いのですが、秋から冬にかけて流行することもあります。

 

症状

3~5日程度の潜伏期間を経て発症します。

手のひら、指の間、足の裏、足の指などに赤い米粒大ほどの水ぶくれがまばらにできます。

この水ぶくれは破れることはなく、小豆色の斑点になり、数日で消えます。

足の甲や膝関節、臀部などに丘状のあせものような発疹ができることがありますが、こちらも数日で消えます。

 

口の中の水ぶくれは、口唇の内側、頬の内側、舌、軟口蓋などにできますが、短時間で破れます。

そして、通常は5mm程度の大きさの潰瘍になります。

微熱が出ることが多いのですが、2割程度の子供は、2~3日ほど38度前後の発熱が続きます。

 

治療

有効な薬はありません。

熱が高く、口の中の痛みが強い場合は、解熱鎮痛剤を使うことがあります。

 

ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスA群の感染で起こる夏風邪の一つです。

3~5日の潜伏期間を経て発症します。39度前後の高熱が出て、食欲がなくなります。

喉の痛み、腹痛、頭痛、嘔吐などをともなうことがあります。

 

喉の上顎の奥の部分の粘膜に、直径1mmほどの小さな水疱のような口内疹が複数個できます。

また、これらが潰れて小さな潰瘍になることもあります。

 

 

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夏風邪の治し方

夏風邪の原因となるウィルスは、腸管内で増殖するものが多く、排出されるまでに時間がかかります。

また、ウィルス感染症なので特効薬もありません。

さらに、夏場は暑さ、冷房による冷え、食欲不振などから体力や免疫力が落ちやすいです。

したがって、夏風邪は通常の風邪よりも長引きやすいのです。

夏風邪を治すには、体に本来備わっている免疫力に頼るしかないのが現状です。

 

夏風邪を少しでも早く治すには、次の点に留意しましょう。

  • 睡眠をとり体力や免疫力を低下させない
  • エアコンを適切に使用する
  • 水分補給を怠らない
  • 冷たい飲み物、食べ物は避ける
  • 安易な薬の使用は避ける
  • ビタミンCをとる
  • 免疫力を高める食品をとる

 

では、順番に説明します。

 

 

睡眠をとり体力や免疫力を低下させない

先に説明したように、夏風邪には特効薬がないので、早期回復の鍵となるのは免疫力です。

免疫力(免疫細胞)は、交感神経と副交感神経のバランスがとれているときに、正常に働くことができます。

しかし、睡眠時間が短かったり、安眠できていなかったりすると、交感神経優位の状態が続き、自律神経のバランスが崩れるので、免疫細胞の働きが低下してしまいます。

 

夏風邪を早く治すには、まずは質の良い睡眠をとることが大切です。

 

エアコンを適切に使用する

風邪のときは、体を冷やすイメージからエアコンは敬遠されがちですが、夏場にエアコンを使わないと、熱中症や脱水症の恐れがあります。

また、寝苦しく、睡眠の質が低下することも考えられます。

エアコンは、設定温度を通常より高めにし、タイマー機能を使うなどして、快適な睡眠環境を整えるために、うまく活用しましょう。

 

 

水分補給を怠らない

下痢を起こしているときなどは、特に脱水気味になりやすいので、こまめに水分補給しましょう。

 

 

冷たい飲み物、食べ物は避ける

冷たいものは、体を冷やします。

体が冷えると、免疫力が低下してしまいます。

体温が1℃下がると、免疫力は30%ほど低下すると言われているので、体を冷やさないようにしてください。

 

安易な薬の使用は避ける

誤った薬の服用は、症状を改善するどころか、逆に悪化させたり、長引かせる原因となります。

 

まず、発熱は体がウィルスや細菌を殺すための生体防御反応です。

体温を上昇させることで、免疫細胞を活性化させているのです。

そのため、安易な解熱鎮痛剤の使用は避けましょう。

市販のものを購入して、自己判断で使用するよりも、医療機関で医師の診断を受け、医師から処方されたものを指示された通りに服用した方が安全です。

 

他にも咳は気道内の異物を排出させる生体反応であり、むやみに咳止めを使用すべきではありません。

特に、痰がからむ場合には、鎮咳薬で咳を抑えると、痰が喉につまってしまい、症状が悪化することがあります。

 

 

ビタミンCをとる

風邪のときは、ビタミンCを摂った方がよいとよく言われますが、これはビタミンCに免疫細胞を活性化させる働きがあるからです。

果物など、ビタミンCを多く含む食べ物を積極的にとるようにしましょう。

 

免疫力を高める食品をとる

 

食品のなかには、免疫力を高めてくれるものがあります。

免疫力を高める食品については、以下の記事を参照ください。

免疫力を高める食品の特徴と具体例

 

 

2017年の夏風邪の特徴

さて、最後に2017年の夏風邪の特徴についてまとめておきます。

この記事を書いている2017年3月時点では、プール熱の患者報告数が増えていることから、今年は春から夏にかけてプール熱の流行が懸念されます。

 

国立感染症研究所がまとめた2月20日から26日までの週の5類感染症の患者報告(小児科定点医療機関約3000カ所)によると、咽頭結膜熱(プール熱)の定点医療機関当たりの患者報告数は増加した。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、感染性胃腸炎、手足口病は減少。水痘は横ばいだった。

出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170307-14000000-cbn-soci

 

夏風邪の流行状況については、最新情報が入り次第、こちらに追記していきます。

 

まとめ

代表的な夏風邪には、次の3種類があります。

  1. プール熱(咽頭結膜熱)
  2. 手足口病
  3. ヘルパンギーナ

いずれも子供がかかりやすいのですが、大人が感染するケースもあります。

また、まれですが、夏場ではなく、冬場に感染することもあります。

大人がかかると肺炎などを合併して、症状が重くなることがあるので、ただの風邪だと侮ることなく、早めに医療機関にかかってください。

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