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十分に睡眠時間を確保しているはずなのに、なぜかいつも日中に眠くなる、集中力が低下するといった症状に悩まされていませんか?

睡眠は、時間よりも質が重要だというのは、テレビ番組などでも専門家がよく説明しているので、ご存知の方も多いことでしょう。

ストレス、栄養不足、運動不足、就寝・起床時間の乱れなどは、睡眠の質を悪化させる要因となります。

 

もちろん、一時的なものであれば問題ありませんが、実は自分が気づいていないだけで「睡眠時無呼吸症候群」などの病気が原因で、睡眠の質が低下している可能性もあります。

今回は、寝ても寝ても眠い原因や考えられる病気について解説します。

 

寝ても寝ても眠い原因と対処(治療)法

寝ても寝ても眠いのは、次のような原因が考えられます。

  1. 睡眠の質が悪い
  2. 不眠障害
  3. 過眠障害
  4. 睡眠時無呼吸症候群
  5. レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
  6. 肥満肺胞低換気症候群
  7. 概日リズム睡眠・覚醒障害

 

では、順番に説明します。

睡眠の質が悪い

睡眠時間が毎日バラバラ、ストレスの蓄積、栄養不足、運動不足などは睡眠の質の低下を招きます。

 

週末に夜遅くまで起きていたり、土日に朝寝するなど、寝る時間や起きる時間が不規則になると、深い眠りと浅い眠りのバランスが悪くなります。

すると、長時間寝てもスッキリしない、疲れが取れない、日中に眠いなどの障害が起こります。

夜更かしや二度寝などを避け、毎日決まった時間に就寝起床するようにしましょう。

 

続いて、心配事があったり、仕事に対するストレスが強いと、寝つきが悪かったり、途中で目が覚めてしまったりと、こちらも睡眠の質が悪くなります。

悪化するとうつ病などに繋がる恐れもあるので、休日には体を動かすなどして適度にストレスを発散させましょう。

 

また、栄養不足も「寝ても寝ても眠い」という症状の原因となります。

例えば、鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血となり、脳に十分な酸素が行き渡らなくなるので、十分に寝ているはずなのに日中に眠いといった症状が起こります。

 

運動不足が続くと、筋力低下などにより血液の流れが悪くなるため、こちらも酸素や栄養素の供給が滞り、同様の症状が現れる可能性があります。

 

不眠障害

不眠障害は、睡眠障害の一つの型で、睡眠が不足するものです。

原因

騒音や高温など物理的環境因子、アルコールやカフェインなどの化学物質の使用などが不眠症の原因となります。

また、神経症・気分障害・統合失調症などの心の病気、認知症・脳血管疾患・脳腫瘍などの神経の病気、その他の体の病気(内分泌疾患、代謝性疾患など)による不眠症もあります。

このように、特定の物理的、化学的原因や様々な病気により二次的に発生する不眠症を二次性不眠症と呼びます。

 

一方で、原因がはっきりせず、不眠のみを主な症状とするものは、一次性不眠症といいます。

 

症状

横になってもなかなか寝つくことができない入眠困難、睡眠の途中で目が覚めてしまう中途覚醒、早朝の暗いうちに目が覚める早朝覚醒、眠りが浅く熟眠感がない熟眠感欠如などがあります。

これらの不眠症状が持続的に現れ、本人や周囲の人に対して苦痛を与えたり、社会生活や仕事において障害をもたらす場合に、不眠症と診断されます。

 

治療

まずは、日常生活において以下のようなことを心がけます。

  • 昼間に適度な運動や日光浴を行う
  • 昼寝を避ける
  • 飲酒量を少なくする
  • 夜はコーヒーやお茶などを控える
  • 寝室の明るさ、温度、湿度を調節して遮光カーテンなどを使用する
  • 体に合った枕や寝具を選ぶ
  • 眠れなくても就寝、起床時間を固定して規則的な生活を送る

 

上記のような日常生活での改善策を試みても、不眠が続く場合には、睡眠薬を用いた薬物療法などを行います。

最近は、副作用が少ないベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類も豊富です。

いずれにせよ、専門医と相談し、その指導のもとで適切な治療を行います。

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過眠障害

過眠症は睡眠障害の一つで、睡眠が慢性的に過剰になるものです。

また、過眠症のなかで、病態がよく分かっているものにナルコレプシー(居眠り病)があります。

 

原因

原因のはっきりしないものを特発性過眠障害と呼びます。

物理的環境因子、化学物質、心の病気、神経の病気、その他の病気によるものは、二次性過眠障害といいます。

 

ナルコレプシーの原因は、脳内のオレキシン神経系の障害であるとされています。

実際に、多くの症例で髄液中のオレキシン濃度の低下が報告されています。

頭部外傷、脳炎、脳腫瘍、パーキンソン病などによる二次性のナルコレプシーもあります。

ナルコレプシーの過眠は、覚醒維持機能の低下によって生じます。

また、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺は、レム睡眠の異常と関連するものです。

 

症状

過眠障害では、昼間の眠気が強く、よく居眠りをする、あるいは夜間の睡眠が長く、朝なかなか起きられないなどの症状があります。

夜は不眠が見られ、昼間は眠気が強い場合のように、不眠症害と過眠障害は必ずしも対立するものではありません。

 

ナルコレプシーの基本的症状は、日中の強い眠気による居眠りや睡眠発作、情動脱力発作です。

睡眠発作は、重要な会議や試験中などの緊張すべき場面でも、発作性に数分間から十数分間眠ってしまうことがあります。

情動脱力発作は、情動をきっかけとして、自分の意思で動かせる手足の筋肉などの脱力が突然生じるものです。

 

その他にナルコレプシーの症状として、入眠時幻覚と睡眠麻痺があります。

入眠時幻覚は、寝入るときに出現する、現実感と感情をともなう鮮明な夢の体験です。

睡眠麻痺は、いわゆる金縛りのことです。

 

治療

ナルコレプシーの眠気の治療には、モダフィニル、メチルフェニデートなどが有効です。

脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺などのレム睡眠関連症状には、クロミプラミンやSSRIなどの抗うつ薬が有効です。

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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時に喉の周囲の筋肉が活動低下することによって、喉が塞がり、無呼吸、低呼吸などの呼吸異常が起こり、昼間の眠気、高血圧、動脈硬化などが起こりやすくなる病気です。

 

原因

肥満、顎が小さい、扁桃腺肥大などが原因で喉が狭い場合、上気道の周囲の筋肉は目覚めているときに最大の活動をして、息を通りやすくしています。

しかし、睡眠時に喉の周囲の筋肉の活動が低下すると、喉が狭くなります。

喉の壁が振動して音がする場合がいびきで、さらに喉の壁がやわらかくなると、息を吸うときの陰圧で喉の壁が引き込まれ、喉が閉じてしまいます。

 

これは閉塞性無呼吸といいます。

 

症状

睡眠中の無呼吸、低呼吸のため、血液中の酸素が不足します。

さらに、この呼吸異常にともなう低酸素血症によるストレスのために、血圧の上昇、心拍数の上昇などが起こり、血管に障害を及ぼし、動脈硬化が進みやすくなります。

 

正常者の睡眠、呼吸は比較的安定していますが、睡眠時無呼吸があると、一定した睡眠がとれず、昼間に眠気をもよおします。

酷い場合には重要な会議や車の運転中の赤信号などで停止した際に眠り込んでしまったりします。

また、正常な人の血圧は夜間にやや低くなりますが、呼吸異常がある場合は血圧が下がりにくいです。

 

治療

軽症の場合、顎が小さい場合は、口に装具を入れ、睡眠中も喉が開くようにすることがあります。

肥満をともなう場合には減量を行います。

昼間の眠気が強い場合で、動脈硬化による脳卒中、心筋梗塞などの病気を合併しやすいと判断された場合は、睡眠時に空気を送り出す機械とチューブでつながれた鼻マスクを使って空気を送り込み、上気道を開通させるようにします。

 

また、扁桃肥大、アデノイド、甲状腺機能低下症、先端巨大症などでも睡眠時無呼吸が起こりますが、それぞれの病気の治療が重要です。

 

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

眠っている間に下肢がむずむずして、じっとしていられなくなり、不眠を招く病気です。

ドーパミン系の機能障害が原因ではないかと考えられています。

 

症状

下肢の深部にむずむずする、虫がはうようだなどと表現される異常な感覚や不快感が生じ、じっとしていることができなくなります。

これが悪化すると、上半身に広がることもあります。

この症状は、睡眠時や安静時に出現することが多く、脚を動かすことにり消失します。

そのため、夜間の不眠、日中の眠気が生じます。

 

また、睡眠中に足首や膝などが急に曲がる不随意運動の反復が多く見られます。

むずむず感などの症状は、鉄欠乏性貧血、妊娠、尿毒症、糖尿病、悪性腫瘍、などにともなって生じたり、加齢により出現することがあります。

また、疲労がたまると症状が悪化します。

 

治療

クロナゼパム、ブロモクリプチン、レボドパ、カルバマゼピンなどの薬物が有効です。

 

肥満肺胞低換気症候群

BMIが30以上の肥満は、腹部や胸部の脂肪が原因で、肺の換気が適切に行えなくなり、睡眠の質の低下を招くことがあります。

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概日リズム睡眠・覚醒障害

睡眠障害の一つで、睡眠の時間帯がずれる、あるいは睡眠と覚醒のリズムが乱れるものです。

交代勤務の人は、夜勤中に眠気が生じ、夜勤後の日中に睡眠が十分に取れません。

時差ボケでは、夜間の不眠、日中の眠気が生じます。

 

睡眠相後退型では、睡眠の時間帯が遅いほうへ後退して固定されるもので、毎日深夜遅くに入眠し、遅い時刻に起きます。

この場合、朝の定時に登校や出勤ができないため、社会的不適合が生じやすくなります。

 

睡眠相前進型では、睡眠が早いほうへ前進して固定され、夕方近くに寝て、深夜に目覚めるパターンが生じます。

非24時間睡眠・覚醒型では、約25時間周期の睡眠覚醒周期が生じるため、入眠時刻、覚醒時刻が毎日約1時間ずつ遅れていきます。

 

不規則睡眠・覚醒型は、睡眠と覚醒のリズムが周期性を失い、不規則になるものです。

 

原因

人の脳には、固有の体内時計があり、そのリズムは通常24時間周期の外界変化に同調した日内変動、概日リズムを示します。

しかし、交代勤務や海外旅行などによる時差が生じると、外界の24時間周期と体内時計の概日リズムがずれて、その結果、概日リズム睡眠・覚醒障害が生じます。

 

治療

朝の光刺激には、外界の24時間周期に体内時計を同調させる作用があります。

また、ビタミンB12には、光に対する感受性を増加させる作用があると考えられています。

そこで、眠気防止、覚醒維持のために、日光浴、高照度の光を照射する光療法、ビタミンB12療法を行います。

 

また、睡眠を促すために睡眠薬が使われることもあります。

時間療法では、入眠時刻を毎日少しずつずらせて、望ましい時間帯に睡眠を固定するもので、睡眠相後退型や睡眠相前進型に用いられます。

 

まとめ

寝ても寝ても眠いのは、以下のような原因が考えられます。

  1. 睡眠の質が悪い
  2. 不眠障害
  3. 過眠障害
  4. 睡眠時無呼吸症候群
  5. レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
  6. 肥満肺胞低換気症候群
  7. 概日リズム睡眠・覚醒障害

まずは、生活習慣の改善が必要であり、就寝・起床時間の固定、栄養バランスのとれた食事(ビタミン・ミネラルの補給)、体を動かす習慣の確立などを検討しましょう。

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