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「最近、夜中に喉が乾く」

「飲み物を飲んでも、10分も経たないうちに、喉が渇く」

「喉の乾きに加えて、だるさや疲れやすさも感じる」

 

喉が異常に渇く(乾く)のは、何らかの理由で唾液の分泌が低下していたり、体内の水分が低下し脱水気味になっていたりすることが原因と考えられます。

喉の乾燥は、一時的な症状であることが多いのですが、なかには糖尿病や腎臓の病気などが潜んでいることがあります。

 

今回は、喉が乾く原因について解説します。

喉が乾く原因

口の中が乾燥したり、喉が乾くのは、次のような原因が考えられます。

  1. 口腔乾燥症
  2. 口腔乾燥感症
  3. 鉄欠乏性貧血
  4. シェーグレン症候群
  5. 尿崩症
  6. 慢性腎不全
  7. 副甲状腺機能亢進症
  8. 糖尿病
  9. 薬の副作用
  10. 口呼吸
  11. 精神的要因
  12. 加齢
  13. アレルギー
  14. 下痢や多汗など
  15. その他

 

では、順番に説明します。

 

 

口腔乾燥症

口の中が乾く状態を口腔乾燥症といいます。

軽い場合は、口の中が乾く感じや唾液が粘るだけですが、舌や頬の粘膜が周りにへばりつくように感じることもあります。

 

原因

多くは、唾液腺からの唾液分泌の低下が原因とされています。

高齢になると、唾液腺の老化で唾液分泌が減り、口が乾くようになります。

高熱やひどい下痢による脱水状態のほか、糖尿病、バセドウ病、尿毒症、鉄欠乏性貧血などが原因のこともあります。

なお、唾液の分泌が正常でも、精神的なことで、口の乾きを感じることがあり、更年期以降の女性に多いです。

 

治療

まず、原因となっている病気の治療を行います。

口の乾きには、歯科、口腔外科を受診して、口腔粘膜保湿剤の投与を受けます。

口腔乾燥症は、お茶や水で口の中を絶えず湿らせておくと、予防になります。

症状が軽い場合は、酸味のある果物などをときどき摂り、唾液分泌を促します。

 

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口腔乾燥感症

これは口腔心身症の一つです。

口腔内に腫瘍や炎症などの疾患が存在しないのに、痛み、乾燥感、知覚過敏、麻痺感、異物感などの異常を生じる状態を口腔異常感症といいます。

その中でも、乾燥感を訴えるものを口腔乾燥感症と呼ぶことがあります。

 

原因

原因は明確ではなく、心理的要因と身体的要因とが合わさって起こると考えられています。

心理的要因は、ストレス、不安、恐怖などです。

性格的に几帳面で、完璧主義な人に起こりやすいようです。

身体的要因としては血清鉄や亜鉛の低下などがあります。

 

治療・予防

口腔乾燥感症の場合は、唾液腺機能が正常なので精神的に症状にとらわれないことが大切です。

症状が治まらないときは、軽い抗不安薬が用いられます。

鉄や亜鉛の低下で起こることがあるので、偏食を避けて、バランスのとれた食事をとることが予防につながります。

 

 

鉄欠乏性貧血

 

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで起こる貧血です。

鉄分は、肉類やレバーなどの食品に多く含まれており、これらを適量食べていないと、鉄分の不足が起こります。

だるさ、息切れ、動悸などの貧血の症状が徐々に現れてきます。

また、口角が荒れたり、口の中が乾くこともあります。

 

 

シェーグレン症候群

膠原病の一つで、主に涙腺や唾液腺などの外分泌腺に炎症が生じて、涙や唾液などが出にくくなる病気です。

ドライアイのため、目の異物感、痛み、充血、目ヤニ増加などがあります。

明るいところでは、まぶしく感じます。

 

唾液が出にくいため、いつも口の中が乾燥しており、喉が渇きます。

さらに、口渇により食べ物を飲み込みにくくなります。

水分摂取量が増えるので、排尿回数も増えます。

 

唾液による口の中の洗浄ができないため、舌が荒れて、口角のただれが起きたり、虫歯が生じやすくなります。

耳下腺や顎下腺が腫れることもよくあります。

 

鼻や耳、気管支など他の粘膜の分泌も減り、鼻の乾燥感や嗅覚異常、外耳道炎、中耳炎、気管支炎などが起こりやすくなります。

 

胃酸の分泌が悪くなり、胃炎や消化不良が起こることもあります。

腎臓の間質に炎症が生じ、血液が酸性にかたよったり、骨がもろくなったりすることがあります。

肺では軽い間質性肺炎を起こす場合があります。

皮膚が乾燥し、発汗の減少や痒みが見られます。

 

全身症状としては、発熱、関節痛、紫斑などが見られます。

 

尿崩症

尿崩症は、体内の水分が尿としてどんどん排出され、失われていく病気です。

体が脱水状態になり、頻繁に水分を摂るようになって、多尿となります。

健康な人の1日の尿量は、1.5リットルほどですが、尿崩症の人は10リットル以上になることがあります。

 

原因

下垂体後葉からは、体の浸透圧を一定に保つように調整している抗利尿ホルモン(ADH)が分泌されています。

体が脱水状態になると、ADHが増えて腎臓に作用し、体内の水分を保ちます。

しかし、脳の腫瘍などが原因で、下垂体後葉に伝わる神経系に障害が起こると、ADHの分泌が低下して、尿崩症が起こります。

このような、ADHの分泌低下による尿崩症は、中枢性尿崩症と呼ばれています。

 

一方で、ADHの分泌は正常なものの、それを受け取る腎臓に異常があり、ADHが働かないために起こる尿崩症は腎性尿崩症といいいます。

 

症状

ある日突然、尿の回数と量が増えます。

体内の水分不足により、喉が渇き、水をたくさん飲むようになります。

他にも、皮膚や粘膜の乾燥、全身倦怠感、食欲不振などが現れることがあります。

 

治療

中枢性尿崩症は、抗利尿ホルモンの作用がある酢酸デスモプレシンを点鼻します。

腎性尿崩症には有効な治療法がありません。

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慢性腎不全

慢性腎不全は、長期にわたって徐々に腎臓の働きが低下していく状態をいいます。

腎臓の働きの低下度合いによって、軽い方から腎機能障害、腎不全、尿毒症に分類されます。

 

原因

原因としては、多い方から、糖尿病性腎症、慢性腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎の順となっています。

最近では、糖尿病からくる糖尿病性腎症が急速に増えています。

 

症状

腎臓の働きの落ちている程度が軽いときは、ほとんど症状がありません。

腎臓の働きが正常の5分の1以下に落ちてから、様々な症状が現れます。

自覚症状として夜に尿の量が増える、目の周りや足のむくみ、疲れやすい、食欲がない、息切れする、皮膚がかゆい、貧血、アンモニアの口臭、高血圧などの症状がでてきます。

 

治療

食事療法と薬物療法が中心となります。

 

 

副甲状腺機能亢進症

副甲状腺ホルモン(PTH)が持続的に分泌される病気です。

副甲状腺に腫瘍や癌などが生じると、副甲状腺の活動が活発になり、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され続けます。

すると、骨からのカルシウム吸収、腎尿細管でのカルシウム再吸収、小腸からのカルシウム吸収などが亢進し、血液中のカルシウム濃度が高くなります。

 

症状が軽い場合は、血液中のカルシウム濃度がやや高いだけで、異常は見られません。

しかし、症状が重くなると、高カルシウム血症、低リン血症、高アルカリホスファターゼ血症、腎結石、腎石灰化症、骨粗鬆症、胃・十二指腸潰瘍、膵炎などが起こることがあります。

 

症状

血中のカルシウム濃度が高くなると、尿中のカルシウム排泄量が増え、同時に水も一緒に出ていくため、多尿になります。

また、脱水気味になって喉の渇きを覚え、水を多く飲むようになります。

 

さらに、筋力低下、食欲不振、吐き気、便秘などが起こることがあります。

症状が悪化すると、集中力低下、抑うつ、意識障害なども現れてきます。

 

なお、カルシウムの排出量が多くなると、尿路に結石(腎結石)を作ることがあり、その場合は腰痛や血尿などが見られます。

骨からカルシウムが過剰に出ると、骨がもろくなり、骨粗鬆症になることがあります。

高濃度カルシウムによる刺激のため、胃・十二指腸潰瘍や膵炎が発生すると、上腹部の痛みや吐き気など様々な症状が現れてきます。

 

治療

副甲状腺に腫瘍が見つかった場合は、その副甲状腺を手術で摘出します。

 

 

 

糖尿病

糖尿病は、一口でいうなら、血糖が上がる病気です。

糖尿病には、子供を含めて比較的若い人の発症が多い1型糖尿病と、中年期以降の発症が多い2型糖尿病の2つのタイプがあります。

日本で爆発的に増えているのが2型糖尿病であり、30~40代以降の発症が多く、日本人の糖尿病の95%がこのタイプです。

2型糖尿病は、食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣との関係が深く、高血圧や脂質異常症とならんで、生活習慣病の一つです。

 

糖尿病は、初めのうちはほとんど自覚症状がありません。

少し悪化すると、尿が多く出る、喉が渇く、水・お茶・ジュースなどの水分を多く飲みたくなる、だるい、痩せてくるなどの症状が出てきます。

 

 

薬の副作用

利尿剤、胃腸薬、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤などを服用することで、副作用として喉が乾くことがあります。

 

口呼吸

花粉症や風邪などによる鼻づまりで、口呼吸になると、鼻呼吸のときよりも喉が乾きやすくなります。

 

精神的要因

緊張、不安、興奮などの精神的要因で喉の渇きを感じることは多いです。

強いストレスにより交感神経が刺激されると、唾液の分泌が抑制されることがあり、口が乾きやすくなります。

 

加齢

口腔乾燥症の項で説明したように、高齢になると唾液腺の老化により、唾液が出にくくなって、口が乾きやすくなります。

 

下痢や多汗など

 

下痢が続いたり、大量の汗をかいたりすると、体内の水分が失われて、喉が渇きます。

 

アレルギー

花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎では、喉のイガイガや乾燥感などが起こることがあります。

 

その他

上記で説明した要因以外にも、喉が乾くのは以下のような理由も考えられます。

  • 運動、睡眠、入浴での発汗
  • 利尿作用のある飲み物の飲用
  • 塩分のとりすぎ
  • 喫煙

 

まとめ

口の中や喉が乾くのは、ストレスなどの心理的要因や、鉄不足・唾液腺機能の低下など身体的要因などが挙げられます。

口や喉の乾きは、たいていは一時的な症状ですが、長く続く場合は、糖尿病や腎機能低下など病気の可能性もあるので、一度近くの医療機関を受診してみてください。

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