授業や講義の最中、会議中など静かなときに、お腹がゴロゴロ、グウグウとけたたましい音を立てて鳴り響き、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

腹鳴は空腹時だけでなく、食後にギュルギュルと鳴ることがあります。

また、慢性の下痢や便秘など消化器系の症状を抱えている人にも起こりやすいのです。

 

さらに、腹鳴とともに、腹痛、嘔吐、頭痛、吐き気、不眠など他の症状も合併しているときは、胃や腸の病気にかかっている可能性も疑われます。

そこで、今回はお腹が鳴る原因、腹鳴の予防法、止める方法などについて解説します。

お腹が鳴る原因

お腹が鳴るのは、次の原因が考えられます。

  1. 消化の際の胃腸の運動
  2. 空腹時の飢餓収縮
  3. 腹部膨満感
  4. 呑気症
  5. ストレス
  6. ガスが発生しやすい食品
  7. 刺激の強い食べ物
  8. 便秘
  9. お腹を圧迫する服装
  10. 過敏性腸症候群
  11. 腸閉塞
  12. 腸管癒着症
  13. その他の病気

では、各要因について順番に説明します。

 

消化の際の胃腸の運動

食事をすると、食べ物は食道を通じて胃へと送られ、胃液とともに撹拌されて消化が進みます。

食べ物はかゆ状に分解され、蠕動運動によって十二指腸へ送られます。

そして、十二指腸を通じて小腸へと運搬され、そこで食べ物は右へ左へと移動させられ、たがいに撹拌されて、より小さく分解されます。(分節運動)

 

さらに、小腸では、消化管が部分的に伸びたり、縮んだりして、内容物もそれに合わせて遠位方向、近位方向に移動させられ、撹拌されていきます。(振り子運動)

消化管では、これらの運動を組み合わせることで、食べ物の消化を促進し、より効率的に吸収できるように働きます。

このとき、消化管内に存在するガス、消化液、食べ物がたがいに混ざり合う際に、腹鳴が起こります。

 

空腹時の飢餓収縮

胃と腸の筋肉は消化のため、24時間絶えず収縮運動をしていますが、お腹が空いてくると、胃が飢餓収縮という通常の動きとは異なる収縮運動を始めます。

そして、胃の収縮運動に合わせて、腸も収縮を始めるため、腸に溜まっているガスが移動します。

お腹が空いたときに鳴る音は、このガスが腸内を移動するときの音です。

 

そもそも、人間が空腹を感じるのは、胃が空になったときではなく、血液に溶け込んでいる栄養物質が少なくなったのを脳が感知して空腹感を感じます。

血液中に栄養物質があれば、脳は消化器官の活動を抑え、不足してくれば、活動を促し、胃腸が激しく動き始めるのです。

上述の通り、お腹が空いていない状態でもお腹が鳴ることはありますが、空腹のときにより激しく鳴るのは、消化の準備のために、胃腸の収縮が活発に起きているからです。

 

これがお腹が空いたときのグルグルという音です。

 

腹部膨満感

消化管内には、食べ物と一緒に飲み込んだ空気、消化の際に発生したガス、腸内細菌が産生したガスなどが溜まっています。

これらのガスは、げっぷやおならにより自然に排出されます。

しかし、何らかの理由により排出が滞ったり、通常よりも多くのガスが発生すると、消化管内にガスが溜まりやすくなります。

そして、ガスが多く溜まっていると、胃や腸で蠕動運動が起きた際に、腹鳴が生じやすくなったり、音が大きくなったりします。

 

呑気症(どんきしょう)

呑気症は、飲食の際に飲み込む空気の量が多いために、通常よりも多くのガスが消化管内にたまり、腹部膨満を起こすものです。

呑気症は、以下のような習慣がある人に起こりやすいです。

  • 早食い
  • 炭酸飲料をよく飲む
  • ガムをよく食べる
  • 汁物をすすって飲む
  • 歯を噛みしめる行為

 

ストレス

強いストレスを感じたり、緊張したりすると、無意識のうちに空気を飲み込んでしまいがちです。

ストレスにより呑気症を発症し、お腹にガスが溜まりやすくなります。

 

また、ストレスが溜まると、自律神経が乱れてしまいます。

腸は自律神経によりコントロールされているので、自律神経のバランスが崩れると、腸の働きが悪くなります。

すると、消化管内のガスをうまく排出できなくなり、腹鳴が起こりやすくなります。

 

ガスが発生しやすい食品

米、パン、イモ類などデンプンが多い食品、ごぼうなどアクの強い食品などは、ガスが発生しやすいため、過剰に摂取すると、消化管内のガスの量が増えてしまい、腹鳴の原因となります。

 

刺激の強い食べ物

熱すぎるものや辛すぎるものを食べたときは、胃腸に対しての刺激が強く、胃腸の働きが活発になってしまい、腹鳴が生じやすくなります。

 

便秘

便秘になると、ガスの排出が滞り、腸内にガスが溜まるので、腹鳴が起こりやすくなります。

 

お腹を圧迫する服装

腹部を圧迫する服装は、お腹が鳴る原因となります。

ベルトをきつく締めたり、ゴムウエストのきつい下着などは、お腹を圧迫し、胃腸の働きを抑制してしまうためです。

 

 

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群では、下痢と便秘を交互に繰り返し、腹痛、腹部不快感、腹鳴などをともないます。

頭痛、めまい、動悸、疲労感など自立神経失調症状や精神神経症状も見られます。

 

便秘や下痢のほかに、腹痛、腹部不快感、腹鳴などが起こります。

また、頭痛、めまい、動悸、肩こり、不眠など自立神経失調の症状も現れます。

 

腸閉塞

腸閉塞は、腸管が塞がって、食べ物やガスなどの通過障害が起こるものです。
吐き気、嘔吐、腹痛があり、腹鳴のあとでガスや大便がでなくなります。

ひどい場合は、発熱、脱水症状、ショック症状が現れます。

複雑性イレウスの場合は、単純性イレウスよりも痛みが急で激しいのが特徴です。

 

腸管が狭くなることで、内容物やガスが滞留すると、これを排出させるために腸の蠕動運動が活発になり、腹鳴が起こりやすくなります。

 

腸管癒着症

腸管の外側が炎症や外傷で損傷すると、その損傷が治るまでの間に腸管に癒着が起こり、それによって腸管に通過障害などが生じます。

癒着の原因として多いのは、開腹手術であり、なかでも虫垂炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胆石症などの内臓の病気が多いです。

 

腸管癒着症では、腹痛、腹鳴、腹部膨満感、食欲不振、便通異常などの消化器系の症状が現れますが、不眠や倦怠感などの自律神経失調のような症状もみられます。

癒着が原因で腹痛や腸の通過障害を発生させている場合は、再手術を行ないます。

 

その他の病気

胃炎、逆流性食道炎、下痢などを起こしているときも、お腹からゴロゴロと音がすることがあります。

 

お腹が減っているときにお腹が鳴るのは、胃腸が正常に機能していることを表しています。

しかし、お腹が空いていないときに、頻繁に腹鳴が起きたり、吐き気、嘔吐、腹痛などの症状もともなっている場合は、過敏性腸症候群など病気の恐れもあります。

心配な方は、一度、近くの医療機関を受診してみてください。

 

次に、腹鳴を予防する方法について解説します。

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お腹が鳴るのを予防する方法

お腹が鳴るのを防ぐには、以下の方法が有効です。

  • 腸内環境を整える
  • 腸の排ガスを促す
  • 炭酸飲料やガムに注意
  • ストレス発散
  • ゆっくりよく噛んで食べる
  • 決まった時間に食事をとる
  • 水分を摂り過ぎない
  • 朝はパンよりご飯

では、各項目について見ていきましょう。

 

腸内環境を整える

腸内環境の悪化は、便秘や下痢を招き、腹鳴の原因となります。

腸内環境を整える食品には、以下のようなものがあります。

  • ヨーグルト
  • 納豆
  • 漬け物
  • バナナ

 

<ヨーグルト>

ヨーグルトは、善玉菌を効果的に増やしてくれる食べ物です。

また、腸内を酸性にして、悪玉菌の活動を抑えるので、善玉菌が活動しやすくなります。

 

<納豆>

納豆に含まれる納豆菌は、腸で善玉菌を増殖させます。

また、納豆菌そのものも善玉菌として働き、腸内の環境をよくします。

 

<漬け物>

漬け物には、植物性乳酸菌が含まれており、腸内環境を整える作用があります。

また、植物性乳酸菌は、酸に強いので、生きたまま腸まで届く可能性が高いです。

 

<バナナ>

バナナは善玉菌のえさとなるオリゴ糖を多く含んでいるため、腸内環境をよくするのに役立ちます。

 

これらの食品をバランスよく摂るようにしましょう。

 

腸の排ガスを促す

腸の排ガスには、半身浴が有効です。

半身浴は、心身のストレスを取り除き、腸への血流もよくなります。

そもそも、便秘やお腹の張りは、副交感神経がうまく働かずに交感神経が優位になっているときに起こります。

そのため、血流をよくして、自律神経のバランスを整えることは、腸を温めて、動かすうえで大変有効なのです。

 

半身浴の際には、副交感神経のほどよい刺激となる体温より2~4度高めの38~41度くらいのお湯が最適です。

 

炭酸飲料やガムに注意

炭酸飲料は、消化管にガスを溜める原因となるので、ほどほどにしておきましょう。

また、ガムを噛むと空気を一緒に飲み込みやすくなります。

腹鳴が気になる方は、どちらも避けた方がよいでしょう。

 

ストレス発散

ストレスや緊張は腹鳴の原因となります。

学校や職場でお腹の音を気にしすぎると、緊張したり、ストレスに感じたりして、余計に腹鳴が起こりやすくなります。

 

ゆっくりよく噛んで食べる

早食いは、呑気症の原因になるので、口を閉じて、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。

喋りながら噛むと、空気を飲み込みやすくなるので、複数人で食事する際は注意してください。

 

決まった時間に食事をとる

腹鳴は、空腹時に起こりやすいので、毎日決まった時間に食事をとり、食事と食事の間隔を空けすぎないようにしましょう。

 

水分を摂り過ぎない

水分を摂り過ぎると、胃酸が薄まり、消化が悪くなるので、消化管に食べカスが残りやすくなります。

食べカスが残ると、そこからガスが発生し、腹部膨満につながります。

食事の際に、お茶や水を大量に飲んだり、それらで食べ物を流し込むような早食いは避けましょう。

 

朝はパンよりご飯

パンは消化が早く、それ自体に空気を含んでいるため、お腹が鳴りやすくなります。

そのため、朝食はパンよりもご飯がおすすめです。

 

次に、お腹の音を止める方法について解説します。

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お腹の音を止める方法

お腹の音を止めるには、次の方法が効果的です。

  • ツボ押し
  • ゲップやオナラ
  • 背筋を伸ばす
  • 糖分を摂る
  • お腹をふくらませる
  • 背中をたたく

では、各方法について順番に説明します。

 

ツボ押し

親指と人差し指の間にある合谷というツボを押すことで、お腹が鳴るのを抑える効果があります。

合谷の見つけ方は、以下の動画にて解説されています。

ゲップやオナラ

ゲップやオナラによりガス抜きをすることで、腹鳴を抑えることができます。

 

背筋を伸ばす

猫背の場合、胃が圧迫されるので、胃の中の空気が圧縮され、腹鳴が生じやすくなります。

普段から、背筋を伸ばして椅子に座るようにしましょう。

 

糖分を摂る

チョコや飴などを口にすることで、糖分を摂取し、血糖値を上げます。

血液中の栄養物質が少なくなると、脳がそれをキャッチして空腹を感じます。

すると、脳は消化器官の活動を促し、胃腸が激しく動き始めることで、腹鳴が起こります。

そのため、お腹が空いてきたときに、栄養補給することで、消化器官の活動を抑え、グルグルとお腹が鳴るのを防ぐことができます。

 

お腹をふくらませる

お腹が鳴りそうになったとき、腹式呼吸のやり方でお腹を膨らませることにより、胃腸の収縮運動を抑えることができます。

これは、胃に空気を送り込むことで、その空気圧により、一時的に胃腸の働きを止めることができるからです。

 

鼻からゆっくりと大きく息を吸って、その状態を数秒間キープします。

このとき、おへそのあたりに力を入れてください。

そして、お腹を凹ませながらゆっくりと口から息を吐きます。

 

背中をたたく

胃の後ろあたりの背中を軽くたたくことで、胃にたまった空気を腸に送り出す手助けをすることができます。

 

まとめ

腹鳴は空腹時に起こりやすく、空腹時の方が音が激しいので、まずは、毎日決まった時間に食事をしたり、朝食をとることが予防には効果的です。

また、腹鳴は、便秘などでお腹にガスが溜まっていると生じやすいので、腸内環境を整えることも予防には大切と言えます。

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