タミフルは、イナビルやリレンザと並ぶA型、B型インフルエンザ感染症の代表的な治療薬です。

インフルエンザの治療や予防によく用いられますが、下痢などの副作用がキツかったり、小児や未成年者に異常行動が現れるなど不安な面もあります。

そこで、今回はタミフルの副作用の具体的な症状や発現率について説明します。

また、子供に異常行動が現れる原因について解説します。

 

タミフルの副作用

タミフルには、以下のような副作用があります。

腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、腹部膨満、便の異常、口内炎、口内不快感、食欲不振、頭痛、傾眠、不眠症、めまい、背部痛、胸痛など

 

タミフルの添付文書によると、上記の副作用の発現率について、以下のように記載されています。

製造販売後の調査 4,211 例において、副作用は 90例 (2.1%)に認められた。主な副作用は、下痢 22件 (0.5%)  、悪心 12件(0.3%)、腹痛 11件 (0.3%)、発疹 10件 (0.2%)等であった

出典:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050037.pdf#search=%27%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%95%E3%83%AB+%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8%27

 

よって、副作用としては、下痢、悪心、腹痛など消化器系の症状が現れやすいことが分かります。

 

タミフルの重大な副作用

タミフルには、次のような重大な副作用が起こることがあります。

ショック、アナフィラキシー様症状、肺炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、精神・神経症状、出血性大腸炎、急性腎不全、血小板減少

 

ここで、聞き慣れない症状や疾患がある場合は、以下の記事をチェックしてみてください。

こちらの記事では、上記の副作用についてより詳しく説明しています。

薬の副作用まとめ

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タミフルの働き

まず、タミフルは、世界初の経口抗インフルエンザウィルス剤です。

気道粘膜の感染細胞において、感染細胞からウィルスが遊離するのを妨害することにより、それ以上のウィルスが増殖するのを抑制します。

 

ここで、タミフルには、インフルエンザウィルスを殺す働きはなく、あくまでウィルス増殖を抑えるのが目的です。

また、インフルエンザウィルスは増殖のスピードが非常に速いので、症状が現れてからできる限り早く、服用する必要があります。

なお、この薬はA型、B型インフルエンザウィルスには有効ですが、C型には効果はありません。

 

次に、タミフルの効果について解説します。

 

タミフルの効果

タミフルの効果については、説明すると長くなるので、以下の記事にまとめました。

タミフルを服用してから効果が発現するまでの時間、効果の持続時間、罹病期間などについて解説しています。

タミフルの効果発現時間、持続時間、罹病期間を解説

 

さて、続いて、タミフルを服用する際の注意点について解説します。

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使用上の注意

タミフルを使用する際の注意点についてまとめておきます。

使用してはいけない人

本剤でアレルギー反応を起こしたことがある人は、タミフルを使用できません。

使用に注意が必要な人

重い腎機能障害のある人、妊婦はタミフルの使用に際して注意が必要です。

服用方法

1回75mg(ドライシロップは2.5g)を1日2回、5日間服用します。

感染症予防の場合は、1日1回75mgを7~10日間服用します。

併用してはいけない薬

併用してはいけない薬は、特にありません。

ただし、併用する薬があるときは、念のために処方医に相談してください。

 

その他の注意点

10歳以上の未成年者には、医師の特別な判断がない限り、服用させないでください。

小児、未成年者が服用する場合は、異常行動の発現の恐れがあるので、少なくとも2日間は、患者が1人にならないように配慮してください。

 

腎排泄型の薬剤であるため、腎機能が低下している人では、血漿中濃度が高くなる恐れがあるので、服用に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた量を、状態を観察しながら慎重に服用します。

細菌感染症がインフルエンザウィルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合は、抗菌剤を併用するなどします。

 

タミフルの薬価

タミフルの薬価は以下の通りです。

カプセル剤:75mg 1カプセル 283円

ドライシロップ剤:3% 1g 244円

 

では、薬価が分かったところで、次はタミフルの予防投与にかかる費用について算出します。

タミフルの予防投与にかかる費用

ここでは、タミフルの予防投与の費用について説明します。

タミフルを予防に用いる場合は、1日1回75mgを7~10日間服用します。

つまり、カプセル剤を使用するなら、1日あたり283円かかります。

そして、10日間服用するので、薬価分で合計2830円となります。

これに、調剤料、基本料、薬剤服用歴管理指導料などを加えると、薬の費用だけでおおよそ4000円になります。

 

なお、タミフルの予防投与は治療ではないので、自費診療となり、保険は適用されません。

病院での受診費用も含めると、予防投与にかかる合計費用は8000~9000円ほどになります。

 

最後に、タミフルの服用で小児や未成年者に異常行動が現れる理由について、簡単に説明しておきます。

 

タミフル服用で異常行動が現れる理由

まず、結論から言うと、タミフルによる異常行動は、タミフルが脳の中枢神経系に作用したことで起きた服用と考えられます。

 

先に説明したように、タミフルはインフルエンザウィルスが増殖して細胞から出ていくのを阻止する薬です。

細胞内で増殖したウィルスは、細胞の外に出る直前までシアル酸という物質で細胞と結びついています。

この結合部分を断ち切るのが、ウィルスの持つノイラミニダーゼという酵素です。

タミフルがこのノイラミニダーゼと結合することで、細胞からウィルスが出られなくなります。

 

ところが、ノイラミニダーゼは、ウィルスだけが持っているのではありません。

人のあらゆる細胞にこの酵素が存在し、体を維持するのに重要な役割を果たしています。

そのため、タミフルを服用すると、全身の細胞に影響を及ぼす可能性があります。

 

次に、ノイラミニダーゼは、人の脳細胞が正常に働くための役割も担っています。

通常、成人であれば、タミフルを服用しても脳にはほとんど移行されないと言われています。

これは、血液脳関門の働きにより、薬が脳まで到達するのを防いでいるからです。

しかし、小児や未成年者の場合、血液脳関門が未発達であるため、十分に機能せず、タミフルが脳内に移行しやすくなることがあります。

すると、脳でタミフルが働き、中枢精神神経系に影響が及ぶことで、呼吸不全、低体温、行為を制御できない(異常行動)などの副作用が引き起こされると考えられています。

 

まとめ

タミフルは、A型およびB型インフルエンザウィルスの増殖を抑制する薬です。

ウィルスを殺す働きはないので、インフルエンザの症状が現れたら、2日以内に服用を始めることが原則とされています。

 

なお、副作用としては、下痢、悪心、腹痛など消化器系の症状が現れやすいのですが、添付文書によると、いずれも発現率は1%未満であり、低い値となっています。

タミフルは、子供が服用すると、異常行動が現れることがあるので、服用後は患者が1人にならないよう配慮してください。

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