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通常であれば痰の色は無色透明ですが、ふと痰を出したときに茶色、黄色、緑色、赤色など色がついていたら、何かよくない病気にでもかかったのではないかと不安になりますよね。

今回は、色のついた痰が出る原因について解説します。

茶色の痰が出る原因

茶色の痰が出るのは、次のような原因が考えられます。

  1. 喫煙
  2. 肺炎
  3. 肺化膿症
  4. 気管支拡張症
  5. 肺結核
  6. 肺真菌症
  7. 肺癌
  8. 肺塞栓症
  9. 心臓弁膜症

では、順番に説明します。

喫煙

喫煙、または受動喫煙が原因で、茶色っぽい痰が出ることがあります。

まず、気道の粘膜は粘液で覆われています。

空気中のチリやホコリなどの異物は、気道粘液に絡め取られ、線毛による線毛運動によって喉頭方向に向かって運ばれて排出されます。

 

しかし、線毛は、タバコの煙や排ガス、その他の有害ガスなどの刺激を受けると、炎症を起こして抜けてしまい、機能が低下することがあります。

線毛の機能が低下すると、有害物質の排出が滞り、肺や気管に汚れがたまります。

すると、これらを排出するために、咳や痰が頻繁に出るようになります。

 

このとき排出される痰には、肺や気管に溜まった汚れ、タバコの煙に含まれる有害物質などが混じるため、茶色っぽいまたは黒っぽい痰が出ることがあります。

また、禁煙を始めても、肺や気管に汚れが溜まっている人は、茶色っぽい痰が出るようです。

なお、喫煙の他にも、空気空のチリやホコリなどを吸入したことで、黒色、灰色、茶色などの痰が出ることがあります。

肺炎

茶色っぽい痰が出るのは、肺炎にかかっている可能性があります。

肺炎では、咳、痰、発熱、寒け、息苦しさ、胸の痛みなどの症状が現れます。

痰は膿性で粘りけがあり、ときに茶色っぽい(鉄が錆びたような色)ものが排出されることがあります。

 

肺炎は、風邪やインフルエンザなどで上気道に炎症が起こり、弱った上気道に細菌が感染して起こることが多いです。

そのため、かぜにかかったときは無理な労働や外出を避け、身体の安静と保温に努め、十分な休息をとることが大切です。

高齢者や慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎)、糖尿病などの基礎疾患がある人は、肺炎にかかりやすく、重症化しやすいので注意が必要です。

 

また、温泉旅行後に肺炎の症状が現れた場合は、温泉施設でレジオネラ菌に感染し、レジオネラ肺炎を発症している疑いがあります。

 

肺化膿症

茶色っぽい痰が出て、痰から悪臭がする場合は、肺化膿症の可能性があります。

悪寒、発熱、全身倦怠感、頭痛、咳、痰、胸痛などの症状が見られます。

この病気は、糖尿病患者や飲酒常習者で、肺に疾患を持っている人に起こりやすいです。

 

気管支拡張症

咳と痰が慢性的に続き、茶色っぽい膿性痰が出る場合は気管支拡張症の可能性があります。

夜間に痰が溜まるため、起床時に痰とともに咳が出ます。

また、発熱、胸痛、全身倦怠感などの症状が見られることがあります。

 

肺結核

咳や痰が2週間以上続く場合は、肺結核の可能性があります。

咳、痰、発熱が主な症状です。

発熱する場合は、初期は38度以上になり、徐々に37度台の微熱が続くというケースが多いです。

ときに、血の混じった茶色っぽい(または暗赤色のような)色の痰が出ることがあります。

 

肺真菌症

肺真菌症は、アスペルギルスやカンジダなどの真菌によって起こる肺炎です。

体の免疫力が低下したときに発症しやすい病気です。

肺真菌症では、発熱、咳、痰、呼吸困難、全身倦怠感といった肺炎や肺結核によく似た症状が現れます。

ときに、暗赤色の痰が排出されることがあります。

 

肺癌

肺癌を患っている場合も、茶色っぽい痰が出ることがあります。

肺癌では、咳、痰、胸痛、呼吸困難のほか、発熱、食欲不振、倦怠感などの症状が現れます。

癌がリンパ節に転移すると、声のかすれが起こります。

 

肺塞栓症

肺塞栓症を発症すると、茶色っぽい痰が出ることがあります。

急性肺塞栓症は、静脈にできた血栓が静脈壁からはがれて、血流で運ばれ、肺動脈を突然詰まらせる病気です。

脱水状態で血液が固まりやすくなっていたり、長時間旅行や災害時の避難所生活などの活動制限や、手術など静脈血流が遅くなる場合に発症しやすくなります。

 

長い間、脚を動かさないことも、血栓をできやすくします。

慢性肺血栓塞栓症では、長期間、肺動脈に血栓があり、慢性的に肺の血圧が高くなります。

体を動かしたときの息苦しさや呼吸困難が主な症状であり、徐々に病態が悪化していきます。

 

心臓弁膜症

心臓弁膜症では、鉄が錆びたような色の痰が出ることがあります。

心臓には血液が一方向に流れるように4つの弁がついています。

心臓の弁に障害があり、心臓病を起こした状態を心臓弁膜症といいます。

 

症状は、機能障害を起こしている弁の部位と性質によって異なります。

例えば、僧帽弁が障害を起こすと、肺にうっ血が生じやすく、重い物を持ったり、階段を上るときなどに呼吸困難が起こりやすくなります。

 

黄色い痰の原因

黄色っぽい痰が出るのは、次のような原因が考えられます。

  1. 急性気管支炎
  2. 肺炎
  3. 膿胸
  4. 肺化膿症
  5. 気管支拡張症
  6. 慢性閉塞性肺疾患
  7. びまん性汎細気管支炎
  8. 肺結核
  9. 慢性副鼻腔炎
  10. 肺癌

では、順番に説明します。

急性気管支炎

風邪にかかった後に、咳や痰の症状が強く起こるようになった場合は、急性気管支炎の可能性があります。

急性気管支炎は、ほとんどの場合、かぜで上気道に炎症が起こり、弱った気道に細菌などが二次感染することで発生します。

最初は痰の絡まない乾いた咳が出ますが、次第に黄色い膿性の痰が出るようになり、咳も強くなります。

こうなると、かぜが急性気管支炎になった証拠です。

なお、急性気管支炎の病原が肺炎球菌の場合は、肺炎に進展する可能性があります。

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肺炎

黄色い膿性痰が出るのは、肺炎の可能性があります。

肺炎については前項で解説しているので、詳細説明は割愛します。

 

膿胸

悪臭のする黄色い痰が出る場合は、膿胸の可能性があります。

肺炎に対する適切な治療が遅れると、胸膜腔に感染が起こり、胸水が膿のようになってしまい、黄色い膿性の痰が出てきます。

日本では、治療の早期から抗生物質が使われるので、肺炎に膿胸を合併することは、それほど多くはないとされています。

 

肺化膿症

悪臭のする黄色い痰が出る場合は、肺化膿症の疑いがあります。

こちらは前項で詳しく解説しているので、説明は省略します。

 

気管支拡張症

咳と痰が慢性的となり、起床時に痰と咳がよく出る場合は、気管支拡張症の可能性があります。

こちらも前項で詳しく解説しているので、説明は省略します。

 

慢性閉塞性肺疾患

咳や痰の慢性化、労作時の息切れ・喘鳴が生じる場合は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性があります。

COPDでは、病原菌が気道に定着し、気道粘膜で慢性的な炎症が起こるために、膿性の痰が出ます。

喫煙、大気汚染、粉塵吸入などがCOPDの原因となりますが、そのなかで最も影響の強いものが喫煙です。

 

40歳以上の喫煙者のおよそ15~20%は、COPDの疑いがあるとされており、患者数は500万人以上と推測されています。

 

びまん性汎細気管支炎

咳と痰が数ヶ月から数年続き、労作時の息切れがだんだんひどくなっている場合は、びまん性汎細気管支炎の可能性があります。

この病気が進行すると、ひっきりなしに黄色い膿性の痰が出るようになります。

びまん性汎細気管支炎は、40~50代の患者が多く、各年齢層にわたります。

 

この病気を起こす人の多くは、慢性副鼻腔炎の既往歴があるか、現在もかかっているようです。

そのため、鼻汁、鼻づまり、後鼻漏、嗅覚障害などの症状も見られます。

長期的に咳と痰が出ることから、COPDや気管支拡張症との区別が必要です。

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肺結核

咳と痰が2週間以上続き、発熱や胸痛が起こる場合は、肺結核の可能性があります。

こちらも前項で詳しく解説しているので、説明は省略します。

 

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎では、炎症がひどいと粘りけのある膿性の鼻水が出ることがあります。

そして、鼻水が喉の落ちる後鼻漏が起こるために、黄色い痰をともなうようになります。

慢性副鼻腔炎では、鼻づまり、頭痛、頭重感、嗅覚障害などが見られ、これらの症状が長期化すると、日常生活の質が低下し、抑うつ、活動意欲の低下、注意力散漫などの状態になることがあります。

 

肺癌

肺癌では、咳、痰、息切れ、声のかすれ、胸背部痛などが起こり、ときに膿性の黄色い痰が長く続くことがあります。

 

緑色の痰が出る原因

黄緑色または緑色の痰が出る場合は、緑膿菌による肺炎の可能性があります。

緑膿菌肺炎は、緑膿菌というグラム陰性桿菌の感染で起こる肺炎です。

緑膿菌は、本来は毒性の弱い細菌で、口腔内に常在しています。

 

口腔や咽頭にいる緑膿菌が、免疫力が低下したときに、気管や気管支に入って繁殖し、気管支炎や肺炎を起こすことが多いです。

特に、気管支拡張症やびまん性汎細気管支炎などの慢性的な病気を患っており、免疫力が低下しているとき、緑膿菌に感染しやすくなります。

 

痰に血が混じる原因

血痰が出るのは、次のような原因が考えられます。

  1. 鼻や口の中、喉からの出血
  2. インフルエンザ
  3. 気管支拡張症
  4. 肺結核
  5. 肺マック症
  6. グッドパスチャー症候群
  7. 肺血栓塞栓症
  8. 肺癌

では、順番に説明します。

 

鼻や口の中、喉からの出血

血痰が出るのは、鼻や口の中、喉からの出血、気管支や肺の疾患などが原因として考えられます。

例えば、花粉症や風邪で鼻をかみすぎたために、鼻の粘膜が傷ついて出血し、それが知らないうちに喉に回ってしまい、痰に血が混ざることがあります。

また、歯槽膿漏や歯肉炎などがあると、そこが出血源となって、痰を出したときに血が混じっているということもあります。

 

一般的に、血痰において、血線を引いているものは喉からの出血であることが多く、全体的に赤い痰は肺からの出血であることが多いとされています。

 

インフルエンザ

冬に流行するインフルエンザは、突然38度以上の高熱を出して発症し、悪寒、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛など全身症状が強いのが特徴です。

ときに鼻水、喉の痛み、咳が続き、血痰が見られることもあります。

 

気管支拡張症

咳と痰が慢性的に続き、血痰や喀血が見られる場合は、気管支拡張症の可能性があります。

こちらは、前項で詳しく解説しているので、説明は省略します。

 

肺結核

咳と痰が2週間以上続き、血痰、胸痛、発熱などをともなう場合は、肺結核の可能性が考えられます。

こちらは、前項で詳しく解説しているので、説明は省略します。

 

肺マック症

慢性的な咳と痰に加えて、喀血や血痰が起こる場合は、肺マック症の可能性があります。

この病気は、咳と痰が典型的な症状であり、検診の胸部X線検査で異常を指摘される例があります。

比較的軽症でも、喀血や血痰が生じやすいのが特徴です。

 

経過は、緩慢で数年単位で徐々に進行する例が大部分ですが、まれに進行が速い例もあります。

肺マック症は、基本的に治療が難しく、慢性化する例が多いので、病気と共存する心構えが大切です。

症状が比較的強い場合や、進行が速い場合は、抗菌薬を用います。

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グッドパスチャー症候群

血痰、咳、息苦しさなどが起こる場合、まれですがグッドパスチャー症候群という病気の可能性があります。

グッドパスチャー症候群は、肺の出血と腎臓の病気により、血痰や喀血が生じ、腎不全から死に至ることもある病気です。

 

原因

肺胞の壁や腎臓の糸球体には、基底膜という構造があります。

ウィルス感染などで肺胞がおかされた場合、免疫反応によって基底膜に対する抗基底膜抗体という抗体が産生されることがあります。

その結果、アレルギー反応によって、肺胞が傷害されて肺出血を起こし、腎臓も傷害されて糸球体腎炎を生じると考えられています。

 

抗基底膜抗体が出現する理由は不明ですが、約30%で上気道感染症が原因と言われており、ウィルス感染や喫煙などとの関連が指摘されています。

 

症状

肺胞出血にともなう血痰、喀血、咳、呼吸困難が見られます。

また、疲れやすい、悪寒、発熱など風邪によく似た症状を認めることもあります。

 

治療

抗基底膜抗体の産生を抑制するために、副腎皮質ホルモンや免疫抑制薬を用います。

 

予防

禁煙や感染症予防などが大切です。

風邪にかかったときには、悪化しないように十分に休養をとることが大切です。

 

肺血栓塞栓症

肺血栓塞栓症は、血管にできた血栓が血管壁から剥がれ落ちて、血液にのって運ばれ、肺動脈を閉塞させることで起こる病気です。

体を動かしたときの息苦しさや呼吸困難が主な症状であり、血痰が見られることもあります。

閉塞された肺動脈の範囲によって重症度が異なり、最重症のときには、突然に心拍も呼吸も停止することがあります。

 

なお、この病気は治療開始が遅れると、再発による重症化の危険が高まるため、早期治療が重要です。

 

肺癌

肺癌は、咳、痰、血痰、息切れなどが慢性的に起こり、他にも声のかすれ、胸や背中の痛みなどが生じることがあります。

病院は何科?

色のついた痰が出るときは、内科、耳鼻咽喉科、呼吸器科などを受診してください。

原因は様々なので、これらの3つの診療科を抱えている総合病院にかかるのが無難でしょう。

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