最近、おしっこの量が多いと感じることはありませんか?

尿の量は、水分の摂取量や発汗量によっても変化するので、単純に水分の摂り過ぎが原因の可能性もあります。

しかし、尿の量が多いのは、多尿と呼ばれ、病気の症状として起こっていることもあります。

そこで、今回は多尿が症状として現れる病気について解説します。

多尿で疑われる病気

尿量が多いのは、次のような病気が原因の可能性があります。

  1. 神経性頻尿
  2. 尿崩症(にょうほうしょう)
  3. 慢性腎不全
  4. 慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)
  5. 糖尿病

では、各疾患について順番に説明します。

 

神経性頻尿

特に異常がないのに、1日10回以上、あるいは一晩に2回以上起きてトイレに行くなど、普段の生活の中で頻繁に尿意をもよおすのが神経性頻尿です。

ストレスの多い人や神経質な人によく起こります。

 

神経性頻尿では、目が覚めているときは、排尿回数が多い、残尿感があるなど膀胱炎に似た症状が現れます。

治療には、以下のような方法が有効とされています。

  • 漢方薬
  • ノコギリヤシのサプリメント
  • 病院でのカウンセリング
  • 薬物療法
  • 尿を溜めるトレーニング
  • トイレが近いことを気にしない

尿崩症(にょうほうしょう)

抗利尿ホルモンは、腎臓に働きかけて、体内の水分が失われないようにするホルモンです。

尿崩症は、何らかの原因で抗利尿ホルモンの分泌が不足し、腎臓から水分が尿として体外へどんどん排出されていく病気です。

尿崩症には、原因が分からない原発性のものと、他の病気が原因で起こる続発性のものがあります。

続発性では、脳腫瘍や頭部外傷が原因となることがあります。

 

尿崩症になると、ある日突然、尿の回数が増え、体内の水分が不足するので、喉が乾き、水をたくさん欲します。

通常、1日の尿量は1.5リットル以下とされていますが、尿崩症の患者は3リットル以上にもなります。

また、喉の渇き以外にも、皮膚や粘膜の乾燥、全身の倦怠感、食欲不振などの症状が起こります。

 

この病気では、抗利尿ホルモン剤を点鼻して治療します。

慢性腎不全

数ヶ月から数十年をかけて、腎機能が低下する病気であり、回復することはありません。

慢性腎炎や糖尿病性腎症などの病気が原因で起こることが多いです。

 

腎機能が正常な状態の2割以下くらいになると自覚症状が現れます。

血中の老廃物の濃度が高くなり、初めは倦怠感、無力感、頭痛、吐き気、嘔吐などが起こります。

進行すると、痙攣、昏睡など危険な状態に陥ることもあります。

また、症状の進行は、腎機能の低下の程度によって異なり、自覚症状のない段階から、多尿、頻尿、むくみなどが現れ、乏尿、尿毒症に至るまで様々です。

 

慢性腎不全では、タンパク質や食塩の摂取量を制限する食事療法を行ない、降圧剤、利尿剤などの薬剤も使用します。

病状が進行していると、透析療法が必要となります。

慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)

タンパク尿や血尿が1年以上続く病気であり、慢性腎炎とも呼ばれています。

急性腎炎が治らずに、慢性に移行する場合やはじめから慢性腎炎として発症するものが多いですが、大部分は原因不明とされています。

 

慢性糸球体腎炎は、自覚症状がないことが多い病気であり、検診などで偶然見つかることが少なくありません。

主には、多尿、血尿、タンパク尿、むくみ、高血圧などの症状が見られ、進行すると、食欲不振、疲労感、動悸、吐き気などが現れます。

 

この病気は、食塩を制限して、血圧を管理する食事療法や体を休めることが基本となります。

なお、必要に応じて、副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤などの薬物療法が行われます。

sponsored link

糖尿病

多尿は、糖尿病の典型的な症状の1つでもあります。

【原因】

私たちの体では、糖質を体内でぶどう糖に変えて、腸で血液に溶け込ませ、血糖として細胞に運んでいます。

この血糖が細胞でエネルギー源になるには、インスリンと呼ばれるホルモンの助けが必要です。

インスリンは、膵臓から分泌されますが、何らかの原因で必要な量が分泌されなかった場合、インスリン不足となります。

 

インスリンが不足すると、血糖がエネルギーとして利用されず、血液中に停滞するため、血糖の濃度が高い状態となります。

この高血糖状態が続くと、糖が尿に混じって排出されるようになります。

この状態が糖尿病です。

糖尿病が起こる原因としては、遺伝、体質、過食、肥満、運動不足、ウィルス感染など様々です。

 

なお、糖尿病には、毎日インスリン注射を打つ必要があるインスリン依存型糖尿病(I型糖尿病)と、初期には食事や運動療法で改善できるインスリン非依存型糖尿病(II型糖尿病)の2種類があります。

インスリン依存型糖尿病は、子供や若者が多く発症し、インスリン非依存型糖尿病は中高年に発症することが多いものです。

日本人の糖尿病患者のほとんどが、インスリン非依存型です。

【症状】

インスリン依存型糖尿病は、突然自覚症状が現れ、非依存型のほうは長期間症状が現れません。

症状としては、多尿、頻尿、喉の渇き、口の乾き、食欲が増えるなどが典型的です。

他にも、全身の倦怠感、目がかすむ、体重減少などが見られます。

 

また、発症すると、血管障害、神経障害、感染症など重大な合併症を起こすことがあり、生命の危機に瀕することもあります。

【治療】

食事療法と運動療法が基本となります。

他にも、薬物療法やインスリン療法を行ないます。

まとめ

尿量の増加は、次のような疾患のサインである可能性があります。

  1. 神経性頻尿
  2. 尿崩症(にょうほうしょう)
  3. 慢性腎不全
  4. 慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)
  5. 糖尿病

おしっこの量だけでなく、臭い、色、排尿時の痛み、尿が出にくいなどの症状が見られた場合、すみやかに泌尿器科にかかったほうがよいでしょう。

sponsored link