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うつ病の治療剤・トフラニールの副作用や効果などについて解説します。

トフラニールは、代表的な抗うつ剤のひとつで、脳神経の働きを高めて、精神活動を改善し、気分を高揚させます。

また、うつ病だけでなく、小児の遺尿症にも用いられます。

トフラニールの副作用

トフラニールには、以下のような副作用があります。

口の渇き、めまい、ふらつき、立ちくらみ、眠気、便秘、排尿困難、パーキンソン症状、振戦、アカシジア、吐き気、嘔吐、発汗、血圧降下、頻脈、不整脈、動悸、運動失調、言語障害、知覚異常、幻覚、精神錯乱、攻撃的反応、激越、躁状態、不眠、不安、憔悴、目の調節障害、鼻づまり、発疹、かゆみ、食欲不振、下痢、味覚異常、倦怠感、脱力感、頭痛、熱感、体重増加、耳鳴りなど

 

ここで、聞き慣れない症状や疾患がある場合は、以下の記事をチェックしてみてください。

次の記事では、これらの副作用についてより詳しく説明しています。

薬の副作用まとめ

 

なお、トフラニールの添付文書によると、上記の副作用の発現率について、以下のように記載されています。

うつ病・ うつ状態での副作用は、 二重盲検比較試験11試験において、 副作用が判定可能であった688例中、465例(67.6%)に認められ、主な症状としては口渇236件(34.3%)、めまい・ふらつき・立ちくらみ144件(20.9%)、眠気130件(18.9%)、便秘105件(15.3%)等がみられている。

遺尿症での副作用は、承認時までの調査において(二重盲検比較試験を含む)、判定可能であった317例中54例(17.0%)に認められ、主な症状としては食欲不振22件(6.9%)、口渇15件(4.7%)、悪心7 件(2.2%)等がみられている。

出典:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00001871.pdf

 

うつ病に対してトフラニールを服用した場合は、副作用として口渇、めまい・ふらつき・立ちくらみ、眠気、便秘などの症状が現れやすいことがわかります。

いずれも発現率は非常に高いので、注意が必要です。

 

また、遺尿症に対して副作用した場合は、食欲不振、口渇、悪心の発現率が高いです。

 

トフラニールの重大な副作用

トフラニールには、次のような重大な副作用が起こることがあります。

悪性症候群、セロトニン症候群、てんかん発作、無顆粒球症、麻痺性イレウス、間質性肺炎、心不全、QT延長、心室頻拍、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、肝機能障害、黄疸

 

ここでも、聞き慣れない症状や疾患がある場合は、以下の記事をチェックしてみてください。

薬の副作用まとめ

 

では、次に、トフラニールを実際に服用した人が体験した副作用について紹介します。

 

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トフラニールを服用すると太るのか?

先に説明したように、トフラニールの副作用に体重増加があります。

 

ここで、トフラニールは、三環系抗うつ薬に分類されています。

三環系抗うつ薬には、トフラニール以外にトリプタノールやアモキサンなどがあり、いずれも抗ヒスタミン作用や代謝抑制作用の影響から、体重増加の恐れがあります。

しかし、四環系抗うつ薬のテトラミド、SSRIのルボックス、ジェイゾロフト、レクサプロなどは体重増加が少ない抗うつ薬です。

 

トフラニールによる体重増加が気になる方は、医師に相談のうえ、生活習慣を見直したり、抗うつ薬の服用量を減らしたり、別の薬に変更するなどの方法があります。

 

さて、ここまでの説明から、トフラニールの副作用については理解していだだけたかと思います。

しかし、実際に薬を服用する際には、副作用だけでなく、その薬の働きを正しく理解しておくことも大切です。

トフラニールによるうつ症状が改善するメカニズムを知り、薬への理解をより深めましょう。

 

トフラニールの作用機序や効果

ここでは、トフラニールの作用機序や効果について解説します。

 

私たちの心に起こる感情は、脳内にあるノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質により、神経細胞間を伝わっていきます。

しかし、うつ病患者は、ノルアドレナリンやセロトニンの量が少なくなっているため、情報伝達がうまく機能しなくなっていると考えられています。

また、ノルアドレナリンが不足することで、不安や恐怖などの症状が表れ、セロトニンの不足により、感情にブレーキがかかりにくくなってしまいます。

そこで、抗うつ薬は、セロトニンやノルアドレナリンの量を増やすことで、うつ病の症状を改善させます。

 

では、ここからは、トフラニールの作用機序について解説します。

まず、脳内にて、ある神経細胞(前神経細胞)から別の神経細胞(後神経細胞)へと情報が伝わるとき、神経細胞の接続部(シナプス)では、神経細胞間(シナプス間隙)にセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を放出します。

 

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しかし、このとき放出された神経伝達物質の一部は、トランスポーターと呼ばれる輸送体を通じて、元の神経細胞(前神経細胞)に回収されてしまいます。

この過程は、神経伝達物質の「再取り込み」と呼ばれています。

 

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出典:https://upload.wikimedia.org/

 

一度放出された神経伝達物質が元の神経細胞に回収(再取り込み)されてしまうと、その分だけ神経細胞間に存在する神経伝達物質の量が少なくなるので、情報伝達がうまく機能しなかったり、うつの症状が現れたりします。

そこで、トフラニールなどの三環系抗うつ薬は、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みに関与するトランスポーターの働きを阻害することで、これらの物質が神経細胞間に長くとどまるようにさせ、情報の伝達力を上げます。

その結果、うつの症状が緩和、改善されるのです。

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このように、トフラニールは、神経細胞間に放出されたセロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙の神経伝達物質の濃度を上げることで、うつ病の症状改善に効果を発揮します。

 

では、次にトフラニールを使用する際の注意事項について解説します。

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使用上の注意

トフラニールを使用する際の注意点についてまとめておきます。

使用してはいけない人

以下に該当する人は、トフラニールを使用できません。

  • 緑内障、尿閉(前立腺疾患など)のある人
  • 本剤の成分または三環系抗うつ剤でアレルギー反応を起こしたことがある人
  • 心筋梗塞の回復初期の人
  • モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けている人、または投与中止後2週間以内の人
  • QT延長症候群のある人

 

使用に注意が必要な人

以下に該当する人は、トフラニールの使用に際して注意が必要です。

  • 排尿困難、眼内圧亢進、心疾患(心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈など)、甲状腺機能亢進症、けいれん性疾患またはその既往歴、脳の器質障害、副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫など)、重い肝機能障害、重い腎機能障害、低血圧の人
  • 重い慢性の便秘の人
  • 低カリウム血症のある人
  • 統合失調症の素因のある人
  • 躁うつ病の人
  • 妊婦

 

服用方法

この薬は、症状に合わせて服用量が調整されるので、指示された用法、用量を厳守しましょう。

 

<うつ病、うつ状態>

1日25~200mgを分けて服用し、1日300mgまで増量が可能です。

うつ症状のある人は、自殺企図の恐れがあるので、家族などは医師と緊密に連絡を取り合うようにしてください。

 

<遺尿症>

幼児は1日25~30mgを1回、学童は1日25~50mgを1~2回に分けて服用します。

 

トフラニールの致死量

トフラニールは、約500mgを一気に服用すると、中毒症状が現れると言われています。

そして、およそ1500mgで重篤、2000~2500mgで致死になるとされています。

うつ病の場合、1日300mgが上限なので、2日分を一気に服用すると、中毒症状を起こす危険があります。

そして、1週間分を一度に服用してしまうと、危険な状態に陥ることがあります。

 

併用してはいけない薬

トフラニールは、パーキンソン病治療薬のセレギリン塩酸塩と併用してはいけません。

併用した場合、本剤の代謝を阻害するなっどして、発汗、不穏、全身けいれん、異常高熱、昏睡などの症状が現れることがあります。

 

その他の注意点

眠気が起こったり、注意力、集中力、反射運動能力などが低下することがあるので、車の運転など危険な作業は避けましょう。

また、飲酒により作用が増強する恐れがあるので、服用中の飲酒は控えた方がよいです。

 

トフラニールの薬価

トフラニールの薬価は以下の通りです。

10mg 1錠 9.6円

25mg 1錠 9.9円

 

なお、トフラニールと同じ効果効能を持つ先発品として、イミドールという薬があります。

イミドールの薬価もトフラニールと同じです。

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