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脇の下にしこりや瘤(こぶ)のようなものができると、「悪性の腫瘍ではないか?」と思わず心配になってしまいます。

脇下にできるしこりには、以下のように様々なタイプのものがあります。

  • 無臭のもの、悪臭を放つもの
  • 痛みのあるもの、痛みなしのもの
  • 硬いもの、軟らかいもの
  • 自然に消失するもの、しないもの
  • 大きくなるもの、ならないもの
    etc

この中で、特に注意が必要なのは、しこりを触っても痛みがなく、徐々に大きくなっていくものです。

 

今回は、脇の下のしこりの正体、しこりができる原因、治し方、予防法などについて解説します。

 

脇の下にしこりができる原因と治し方

脇の下にしこりができるのは、次のような要因からと考えられます。

  1. リンパ節の腫れ
  2. 粉瘤
  3. 脂肪腫
  4. 毛嚢炎
  5. リンパ節炎
  6. 悪性リンパ腫
  7. 副乳
  8. 乳腺症
  9. 乳がん

では、各項目について順番に説明します。

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リンパ節の腫れ

脇の下のしこりは、リンパ節が腫れが原因の可能性があります。

脇の下には、腋窩リンパ節という上肢や胸のリンパが集まる器官があります。

ここで、リンパ節にはフィルターの働きがあり、異物、細菌、腫瘍細胞、毒素などが濾過されます。

 

しかし、以下のような理由から、リンパ液の流れが悪くなると、老廃物などがリンパ節に溜まりやすくなります。

すると、リンパ節が腫れ上がり、皮膚の上からも、皮下のグリグリとした塊として触れることができます。

また、痛みをともなうことがあります。

  • 冷え
  • ストレス
  • 運動不足
  • 長時間の立ち仕事やデスクワーク
  • 姿勢が悪い
    etc

これらの項目のいずれかに該当する人は、老廃物がリンパ節に溜まって、腫れを起こしていると考えられます。

 

まずは、以下で説明する方法を参考にして、冷え、ストレス、運動不足を解消し、リンパの流れを改善させましょう。

【冷えの改善】

冷えを予防し、体を温めて、リンパの流れをよくするには、次の方法が有効です。

  • 下半身の筋肉を鍛える
  • 湯船につかる
  • 体を温める食べ物をとる
  • ふくらはぎを温める

 

【ストレス解消】

ストレス解消には、以下の方法がおすすめです。

読書、アロマ、音楽、踊る、涙活、散歩、ゲーム、カラオケ、笑う、ものに八つ当たりする、etc

 

【運動不足の解消】

普段体を動かさない人が運動を始めるなら、負担の少ないいウォーキングがおすすめです。

まずは、エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を利用することで、歩く距離を増やすことからスタートしましょう。

なお、いきなりスクワットや腕立て伏せなどの筋トレを行うと、関節を痛めることがあるので、最初は軽い有酸素運動がよいです。

 

粉瘤

皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、このうち一番下の皮下組織に老廃物が溜まって、瘤(こぶ)のように大きくなったものが粉瘤(アテローム)と呼ばれています。

発生の原因は、分からないことが多いのですが、皮膚への反復した刺激、外傷、タバコに含まれる有害物質、ストレス、体質などが挙げられます。

 

瘤は、数センチほどの大きさで、袋状の小さな腫瘤です。

この袋の中には、角質が詰まっており、強く押したり、潰したりすると、中から悪臭を放つ膿のようなものが圧出されます。

通常は、痛みを感じることはありません。

 

粉瘤は良性腫瘍ですが、ごくまれに、この病気がきっかけとなり皮膚がんが発生することがあります。

粉瘤と思われる瘤を見つけた場合、たいていは何もせず経過を観察しておけばよいとされています。

ただし、赤く腫れた場合は、細菌が感染している疑いがあるので、皮膚科に相談してください。

抗生物質の投与で鎮静できることがあります。

サイズが大きい場合や粉瘤の臭いが気になる場合などは、手術により除去することができます。

 

脂肪腫

皮下組織に脂肪細胞が増殖して、軟らかいこぶができるものです。

腫瘍は良性です。

原因はよく分かっていません。

体のどこの部位にも発生し、放置すると少しずつ大きくなっていきます。

 

大きくなって生活に支障が出るようだと、手術により切除します。

 

毛嚢炎(毛包炎)

皮膚の中で毛根を包んでいる組織は、毛包(もうほう)と呼ばれており、毛包にブドウ球菌が感染することで起こる皮膚病です。

毛包部への傷、副腎皮質ステロイド薬などの使用が原因とされています。

ニキビに似た赤い丘疹や膿疱が現れますが、痛みや痒みはほとんどありません。

 

この病気は、特に治療の必要はなく、自然治癒します。

ブツブツが多い場合や痛みなどが気になる場合は、抗菌内服薬により、細菌を殺して、炎症を抑えることで1週間くらいで治ります。

 

リンパ節炎

リンパ節炎は、急性のものと慢性のものがあります。

急性リンパ節炎

細菌などの感染により、リンパ管が炎症を起こすと、リンパ節も急性の炎症が生じて腫れます。

感染したところの近くのリンパ節が急に腫れて硬くなり、手で押さえるとグリグリして痛みがあります。

感染治療には、抗生物質を投与します。

リンパ節の膿を出す必要がある場合は、切開手術を行ないます。

慢性リンパ節炎

病気のためにリンパ節に弱い刺激が反復したり、急性リンパ節炎が治らなかったりして、リンパ節の炎症が長期化する病気です。

急性リンパ節炎と同じく、リンパ節が腫れて、押さえると痛みがあります。

急性リンパ節炎と異なり、病気が治ってもリンパ節の腫れが長くひかない場合もあります。

 

悪性リンパ腫

リンパ組織は、身体に入る異物を排除する働きをします。

このリンパ組織を構成しているリンパ節、脾臓、扁桃などの細胞が悪性のものになって、無制限に増殖する病気が悪性リンパ腫です。

白血病と並んで代表的な血液の癌です。

 

原因はよく分かっていません。

悪性リンパ腫では、悪性の細胞が増殖したところに腫瘍のこぶができます。

悪性リンパ腫そのものの死亡率はそれほど高くはありませんが、発病すると免疫力が低下するので、感染症にかかりやすくなり、それがこの病気の死亡率を高くしている要因です。

 

顎の下、脇の下、下肢の付け根のリンパ節が腫れて、こぶのようになります。

単なるリンパ節炎の場合は、痛みがありますが、悪性リンパ腫では押しても痛みがありません。

また、しこりが徐々に大きくなったり、複数の部位のリンパ節が同時に腫大することもあります。

 

進行すると、数カ所のリンパ節が腫れて、高熱が出たり、寝汗、体重減少、倦怠感などが見られます。

腫瘍が発生したところにとどまって、転移を起こしていない場合は、放射線療法が行われます。

病気が全身に広がっている場合は、様々な抗腫瘍剤を組み合わせて使用する化学療法がメインとなります。

 

また、胃や腸の臓器に発生した腫瘍は手術で切除します。

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副乳

副乳は、通常の乳房の他に、脇の下などに別の乳房がある状態のことをいいます。

女性の5%、男性の2%が副乳を持つとされています。

副乳は、基本的に健康上の問題はないので、治療は不要です。

 

乳腺症

乳房の片方、あるいは両方に1個ないし数個のしこりができる病気です。

しこりの形は一定ではなく、わずかにぶつぶつした感触があります。

周囲の組織との境目はあまりはっきりしておらず、月経前には大きくなり、月経が終わるとまた小さくなります。

排卵期には、押すと痛むことがあります。

 

40~50歳の更年期の女性に多く、卵胞ホルモンの過剰分泌が原因ではないかと考えられています。

月経後にしこりが小さくなるようであれば、定期的な検査を受けて経過を見ます。

ただし、早期乳癌と症状が似ているので、必ず検査を受けるようにします。

また、乳腺症であっても、症状が重い場合は、ホルモン療法を行うことがあります。

 

乳がん

乳汁を分泌して、乳首へ送る乳腺組織に癌が発生する病気です。

癌が発生する部位は、乳首より外側上の脇のあたりが最も多く、全体の半分を占めています。

脇の下のリンパ節に転移しやすく、そこから脊椎や骨盤などの骨や肺、脳へ転移することもあります。

 

主に、30代、40代に多く、出産経験のない人がかかりやすいと言われています。

この病気は、しこりができることで発見されるケースがほとんどです。

しこりは、一般的には痛まないことが多いので、大きくなってから気づくことがよくあります。

 

しこり以外の症状では、乳房に様々な変化が見られます。

乳頭や乳輪がただれたり、かさぶたができたり、分泌物が出たり、乳頭が癌のある方向を向いたりします。

また、しこりをつまむとその真上に、えくぼのようなへこみができることがあります。

これは、良性の腫瘍の場合には見られません。

 

治療では、基本的に乳房、大胸筋、小胸筋、リンパ節を摘出する手術が行われます。

ただし、現在では胸の変形や運動機能の低下を防ぐために、大胸筋、小胸筋を残す方式の手術が半分以上を占めています。

ごく早期であれば、乳房を温存して腫瘍だけを切除する縮小手術が可能です。

化学療法、放射線療法、免疫療法なども併用されます。

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しこりができるのを防ぐ方法

冷え、ストレス、運動不足などによりリンパの流れが悪くなると、リンパ節に老廃物などの毒素が溜まって、腫れが生じます。

そこで、リンパの流れをよくする方法について紹介します。

 

今回紹介するのは、ひざ裏リンパマッサージです。

ひざ裏は、リンパの関門であるリンパ節が集まっている場所であり、ここをマッサージすることで、リンパの流れを改善せます。

まず、親指以外の両手の4本の指で、ひざ裏のくぼみを押しながら、つま先を10回上げ下げします。

これを両足交互に行いましょう。

 

お風呂で、血液やリンパ液のめぐりがよくなっているときに行うと、より効果的です。

リンパの流れをよくして、老廃物の排出を促すことで、脇の下にしこりやこぶができるのを予防しましょう。

 

脇の下のしこりは、何科へ行けばいいのか?

まず、リンパ節の腫れや炎症が原因と考えられる場合は、内科にかかってください。

粉瘤、脂肪腫、毛嚢炎など皮膚の病気が疑われる際は、皮膚科を受診します。

 

なお、しこりの種類やできた原因がよくわからないときは、内科に相談してください。

内科から正しい診療科にまわしてもらえます。

まとめ

しこりや瘤(こぶ)に痛みがなく、どんどん大きくなっていく場合は、悪性の腫瘍(悪性リンパ腫や乳癌)が疑われるので、すぐに内科か皮膚科にかかってください。

また、脇の下のしこりや腫れがなかなか治らない場合や以前よりも大きくなったかもしれないと感じたら、大きさの変化が分かるように写真に撮っておくことをおすすめします。

というのも、毎日腫瘍を目にしていると、大きさの変化に気づきにくいので、発見が遅れてしまう恐れがあるからです。

悪性の腫瘍においては、しこりが大きくなるまで気づかず、病院へ行ったときには、すでに病気がかなり進行していたということはよく耳にします。

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