溶連菌感染症で発疹が全身に現れると、「いつ治るのか?」、「皮膚が剥けた痕は残らないのか?」と心配になりますよね。

また、病院で処方された抗生物質を内服しているのに、発疹が消えない場合は、別の病気が原因ではないかと不安に感じる人もいるでしょう。

今回は、溶連菌感染症で、発疹が続く期間や別の病気により発疹が出ている可能性について説明します。

 

溶連菌の発疹はいつまで続く?

溶連菌感染症は、感染から2~5日ほどの潜伏期間を経て、喉の痛みや発熱が起こり、発症します。

そして、1~2日経つと、紅色の細かい発疹が首や胸に現れて、全身に広がります。

3~4日後には、皮膚が日焼けの後のように細かく剥ける皮膚落屑が起こります。

 

しかし、病院で処方された抗生物質を服用すれば、症状は1~2日ほどでよくなります。

そして、熱が下がると発疹も徐々に消えていき、皮膚落屑による痕は残りません。

個人差もありますが、1~2週間ほどで肌は元の状態に戻ります。

 

 

その発疹、別の病気が原因かも

溶連菌による発疹は、抗生物質を内服することで回復に向かいます。

しかし、抗生剤を服薬しているのに発疹が改善しない場合は、以下のような可能性が考えられます。

  1. その抗生剤が効かない菌に感染している
  2. 薬疹
  3. 蕁麻疹
  4. 突発性発疹

では、順番に説明します。

その抗生剤が効かない菌に感染している

溶連菌感染症は、A群溶血性連鎖球菌によるものです。

溶連菌は様々な種類が存在しており、日本では4~5種類のタイプが確認されています。

病院で処方された抗生剤が効かない菌に感染している可能性があり、その場合は別の種類の抗生物質に変えてもらう必要があります。

 

薬疹

まれではありますが、溶連菌に対する抗生剤が原因で薬疹を起こしている可能性が考えられます。

 

薬疹とは、内服や注射などにより体内に入った薬剤が原因で生じた皮疹(皮膚にできる様々な症状の総称)をいいます。

多くは、アレルギー性です。

ほとんどの人は薬剤に対してアレルギー反応を起こしませんが、一部の限られた人はアレルギー反応が起こり薬疹を生じます。

 

症状発現までの期間

薬疹ができる場合でも、薬剤が使われてからアレルギー反応を起こすまでには一定の期間(感作期間)がかかります。

このため、それまで何の問題もなく服用していた薬剤に対して、あるとき急にアレルギー反応を起こすようになるのです。

基本的に、それまで一度も内服したことのない薬で薬疹を生じることはありません。

もし生じた場合、その人はすでにその薬剤に類似した構造をもつ薬剤に感作されていたと考えられます。

 

感作期間は、一般的に1~2週間となることが多いです。

ただし、2~3ヶ月に数回程度しか内服しない薬剤では、数年経ってから薬疹ができることもあります。

 

症状

軽いものから死に至るものまで、様々な種類の薬疹があります。

ある薬剤が起こしやすい種類の薬疹については説明できますが、皮疹の状態から原因薬剤を特定することは困難です。

最も頻度が高いのは麻疹、風疹に類似した皮疹ができるものです。

 

体中に細かい米粒ほどの赤い斑点ができ、かゆみをともないます。

進行すると、個々の皮疹が大きくなり、赤みを増して浮腫のようになり、融合していきます。

ここまで進行した場合は、原因薬剤を中止しても重症化する可能性があり、全身の皮膚が赤くなって、水疱ができます。

赤くなった皮膚は軽くこするだけで剥がれ落ちるようになります。

 

これは中毒性表皮壊死融解症と呼ばれており、全身熱傷に似た状態となります。

また、この疾患の類似型として口唇や口の中、陰部などの粘膜がおかされるスティーブンス・ジョンソン症候群があります。

このような重度の薬疹は、発熱、全身倦怠感、肝障害、腎障害などの全身症状をともなうことが多く、入院して治療を行わなければなりません。

 

最も軽い薬疹と考えられているのは、原因薬剤を内服するたびに皮膚の同じ部位(口の周囲、陰部など)に円形の赤い斑ができる固定薬疹です。

原因となる薬を内服していないときは、円形の色素沈着だけしか見られません。

そのため、よく「シミ」と間違われます。

原因となる薬を中止すると軽快します。

 

検査と診断

薬疹では、薬剤がいつから使われ始め、いつどのような皮疹が、どこに現れたかが診断する際に重要となります。

一般的に、疑わしい薬剤を中止して皮疹が軽快した場合は、それを原因薬剤とみなす場合が多いです。

しかし、もともと皮疹を起こしやすいウィルス性疾患にかかっていれば、薬剤によるかどうかを判断するのは困難です。

風疹、麻疹のように必ず皮疹が見られるものから、伝染性単核球症のようにあまり皮疹を生じない病気もありますが、ウィルス性の皮疹と薬疹との区別はつきにくいです。

 

現在最も信頼性が高い検査方法は、再投与試験です。

健康になってからもう一度疑わしい薬剤を使ってみて同様の皮疹ができれば、原因薬剤と確認できるわけです。

しかし、この再投与試験をしり込みしてしまう人が多いため、原因薬剤を軟膏として皮膚に貼付するパッチテストを行ったり、血液中のリンパ球を試験管内で薬剤と反応させるテストを行ったりします。

ただ、これらの方法はあまり感度が高くなく、信頼性に欠けます。

 

治療

原因薬剤の使用を中止します。

しかし、それでも皮疹が拡大して重症型へ移行することもあります。

この場合は、ステロイドの内服や注射が必要となります。

 

ただし、溶連菌感染症の場合、自己判断で抗生剤の服用を中止すると、症状がぶり返したり、リウマチ熱や急性腎炎などの合併症の危険があるので、必ず医師に相談してください。

 

予防

薬疹を起こしたら、再発防止のために、再投与試験などの検査方法を実施し、原因薬剤を突き止めておくことが大切です。

また、中止した薬剤の代替となる薬剤を知っておくことも重要です。

さらに、薬疹を起こす薬剤についての個人情報を記した薬疹カードを絶えず携帯しておくことも、再発防止に必要です。

 

原因となる薬剤の成分は1つとは限りません。

薬剤は数種類の有効成分から構成されていることが多いため、どの成分に対してアレルギーがあるかを明らかにしておくことも重要です。

特に市販薬の場合は、商品名が異なっていても、同じ原因成分を含んでいることも多いので注意が必要です。

 

薬疹を起こさない薬剤はないと認識しておきましょう。

漢方薬も例外ではありません。

薬に含まれる微量の不純物が原因で薬疹を起こした例もあります。

蕁麻疹

上述した「薬剤」以外にも、食物、ウィルスや細菌などへの感染、ストレス、別の病気の初期症状や部分症状などが原因で、全身に紅斑ができることがあります。

 

蕁麻疹は、皮膚に小さな膨らみ(膨疹)が急に生じ、それがいろいろな形、大きさに広がり、周囲に紅斑が見られるものです。

強いかゆみをともないます。

通常は、これらの症状は数時間以内に消失しますが、なかには1日以上残るものもあります。

症状が激しいときには、まれに喉の粘膜が腫れて呼吸困難になることもあります。

 

種類

蕁麻疹には、いくつかの種類があります。

まず、普通見られる蕁麻疹は、1か月以内に治る急性蕁麻疹と、それ以上経っても治らない慢性蕁麻疹があります。

他には、皮膚をかくと起こる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れると起こる寒冷蕁麻疹、汗をかく状態になると生じるコリン性蕁麻疹、日光にあたると起こる日光蕁麻疹、何らかの物質が触れたところからできる接触蕁麻疹などがあります。

 

仕組み

ほとんどの蕁麻疹は、皮膚の肥満細胞からヒスタミンという物質が出て、皮膚の毛細血管や神経に作用して起こります。

ヒスタミンが毛細血管に作用すると、血漿が血管の外に出て、皮膚の膨らみが生じます。

ヒスタミンが神経に作用すると、かゆみが起こります。

ヒスタミン以外の物質が関係する場合もあります。

 

原因

蕁麻疹は様々な原因で起こります。

例えば、薬物、食物、細菌・ウィルス・真菌などへの感染、虫刺され、物理的な刺激、精神的ストレス、他の病気との合併など多様です。

 

また、全身性疾患の初期症状として、またはその部分症状として蕁麻疹が起こることもあります。

膠原病、血管炎、免疫異常、感染症、血清病、薬疹、中毒疹、内蔵悪性腫瘍、消化器病変などいろいろな疾患があります。

 

治療

薬物によって症状を抑える対症療法が行われます。

 

予防

蕁麻疹を悪化させる原因となるもの、例えば飲酒、非ステロイド性抗炎症薬の使用、ストレスなどを避けるように心がけます。

 

突発性発疹

赤ちゃんの場合は、突発性発疹の可能性も考えられます。

 

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型と7型の感染で起こる病気です。

3歳以下の赤ちゃん、とくに生後6か月から1歳までの離乳期の赤ちゃんに最も多く見られます。

一度かかると終生免疫ができるので、二度かかることはありませんが、7型ウィルスにより、2回目の突発性発疹を経験する子供もいます。

 

突発性発疹は年中発生しますが、季節の変わり目に多い傾向があります。

 

症状

急に38~39度の熱が出て、昼夜を通して3日前後続きます。

発熱初期にぐったりする赤ちゃんもいますが、高熱の割に機嫌がよいことが多く、他にあまり症状がないのも特徴的です。

ときに嘔吐や軽い下痢、熱性けいれんを起こすことがあります。

また、喉が赤くなり、鼻水が出ることもありますが、咳やくしゃみは出ないとされています。

 

初期には、風邪や胃腸炎と診断されることがあります。

発病後、3~4日経つと、熱は下がりますが、顔や胸、腹部から全身に広がる発疹が現れてきます。

この発疹はかゆみがほとんどなく、2~3日で消え、病気は治ります。

 

治療

ウィルスが原因なので特効薬はありません。

高熱が出るので水分補給に注意します。

溶連菌感染症の検査と診断について

近くの診療所やクリニックなどで溶連菌感染症と診断されたものの、別の病気ではないかと心配になることがあります。

 

一般的に、溶連菌感染症は、発熱、喉の様子、発疹の状態などからおおよそ診断できます。

また、咽頭の粘液を綿棒でぬぐって採取し、迅速検査キットにかけることで10分ほどで診断可能です。

ただし、感度は8~9割ほどなので、迅速検査が陰性でも臨床症状から、溶連菌が疑われる場合には、咽頭粘液を培養検査する方法が用いられます。

咽頭培養は、溶連菌感染症を確定する最も信頼できる方法です。

 

仮に、診察だけで溶連菌感染症と診断され、それに納得がいかないのであれば、セカンドオピニオンを検討してください。

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