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この記事では、溶連菌感染症の流行時期や2017年の流行状況について解説します。

流行時期と2017年の流行状況

 

 

出典:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/group-a/group-a/

 

上のグラフは、東京感染症情報センターの公式サイトから引用しています。

このグラフから、溶連菌感染症の患者数は、1週目から23週目頃(1月から6月)まで高い状態が続き、夏場には減少しています。

しかし、45週目頃(11月)から再び増加し、50週目(12月)に二番天井をつけています。

 

よって、溶連菌感染症は、秋から冬を経由して春まで流行が続くと考えられます。

 

なお、2017年の患者数の推移は赤線で表されており、昨年の青線とほぼ同じ経過をたどりつつあります。

2017年8月時点では流行は見られません。

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溶連菌感染症の基本情報

次は、溶連菌感染症の感染経路、潜伏期間、症状、合併症、検査・診断、治療、予防などの基本的な情報について解説します。

  1. どんな病気
  2. 感染力と感染経路
  3. 潜伏期間
  4. 症状と経過
  5. 合併症
  6. 検査と診断
  7. 治療
  8. 予防
  9. 仕事復帰の目安

では、順番に説明します。

どんな病気

溶連菌感染症は、A群溶血性連鎖球菌の感染により、全身に赤い発疹が現れる病気です。

かつては死亡率が高く、法定伝染病に指定されていましたが、現在では抗生物質の進歩により重症例はほとんどなくなりました。

溶連菌感染症は、3~12歳の子供がかかることが多く、幼稚園や学校で集団発生することが多いので、学校伝染病に指定されています。

 

感染力と感染経路

溶連菌は感染力が強く、抗原が異なる菌が80種類以上もあるので、繰り返し感染したり、大人になって再度発症することがあります。

特に、高熱が出ているときは、感染力が強く、子供同士や子供から大人などで感染が起こります。

大人がかかる場合は、高齢者、持病を持つ人、妊婦、免疫力や抵抗力が低下している人などが感染しやすいです。

 

溶連菌は、鼻や喉などの粘膜から体内に侵入して感染します。

患者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散るしぶきに含まれる細菌を吸い込むことで感染する飛沫感染、あるいは細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染が主な感染経路です。

 

潜伏期間

潜伏期間は2~5日です。

症状と経過

喉の痛みで始まり、寒けがして数時間のうちに38~39度の熱が出ます。

病気の初期は食欲がなく、嘔吐することもあります。

扁桃(口蓋扁桃)が赤く腫れ、上顎の奥も赤くなり、飲食物を飲み込むときに痛みをともないます。

 

喉の周辺に炎症が広がることで、首のリンパ節が腫れるケースがあります。

1~2日経つと、赤く小さい発疹が首や胸あたりに現れ、全身に広がりかゆみを生じます。

顔は、口の周囲だけ発疹が現れないので、口囲蒼白といい、風疹や麻疹と区別されます。

 

3~4日経つと、舌の厚い苔が剥がれて、いちごのようなぶつぶつのある赤い舌(いちご舌)になります。

その後、熱が下がると、発疹も次第に消えていきます。

皮膚がこまかくむけますが、痕は残りません。

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合併症

溶連菌感染症にかかると、しばしば口角炎を起こし、口唇の両端がただれて、飲食物がしみて痛みます。

他にも、中耳炎、気管支炎、リンパ節炎、副鼻腔炎などが溶連菌感染症の代表的な合併症です。

ただし、溶連菌は抗生物質に弱いので、感染しても病院で処方された抗生物質を服用すれば、数日で症状が改善するケースが多いです。

 

近年では、抗生物質の種類によっては、5日間ほどの治療期間でよい場合もあります。

しかし、症状が消えても、医師の指示に従って抗生物質を服用し続けることが重要です。

というのも、回復期には、リウマチ熱急性腎炎などの重大な病気を合併することがあるからです。

 

リウマチ熱や急性腎炎の発生率は約1%程度ですが、治療に長い年月が必要となります。

熱や喉の痛みなどの自覚症状がなくなったからといって、自己判断で薬の服用を中止すると、合併症にかかりやすくなるので、医師に指示された通りに薬を飲みきるようにしましょう。

一般的には5~10日間は飲み続ける必要があると言われています。

 

検査と診断

発熱、喉の状態、発疹などから病気を診断できますが、喉の粘液を綿棒でぬぐいとって検査をし、溶連菌が多数いることで診断します。

10分ほどで結果がわかる簡易的な迅速検査法もあります。

なお、急性腎炎などの合併症は、溶連菌感染症を発症してから2~3週間後に起こってきます。

 

そのため、発症してから2週間後には尿検査をして異常がないか確認する必要があります。

もちろん、2週間が経過していなくても、以下のような症状が現れたら、急性腎炎の疑いがあるので、ただちに病院を受診します。

  • 血尿
  • 尿量の減少
  • 尿が出にくい
  • 褐色の尿が出る
  • 体がむくむ

 

治療

溶連菌感染症が疑われる場合は、小児科または内科を受診してください。

治療では、溶連菌に有効な抗生物質(標準薬はペニシリン)を内服します。

他にも、熱や喉の痛みを和らげる解熱鎮痛剤、うがい薬、かゆみ止めなどが処方されることがあります。

 

薬を飲み始めると、症状は1~2日でよくなり、2~3日で熱が下がり、喉の痛みも和らいできます。

抗生物質開始後24時間が経過すれば、他の人には感染しにくくなります。

しかし、薬の服用を開始してから5~10日間は抗生物質の治療を続けないと、喉の溶連菌が残って、リウマチ熱や急性腎炎の合併症を起こしたり、他の人に感染することもあります。

 

菌が完全に陰性になったかどうかは、抗生物質治療が終了してから3日間以上をおいて、喉の粘液を培養検査し、溶連菌がいないことを確かめます。

なお、溶連菌感染症では、高熱が出ている間は、安静と養生が大切です。

喉が痛いときは、うがいや鎮痛薬を使用します。

 

皮膚のかゆみが強いときは、かゆみ止めの軟膏や抗ヒスタミン薬の内服を使用します。

治癒までの日数については、抗菌薬の服用期間が5~10日ほどとなっているので、発症してから1週間から2週間くらいが目安となります。

もちろん、自己判断で勝手に服薬を中止した場合は、長引いたり、合併症を起こしたりすることがあります。

 

予防

病人の喉にいる溶連菌が、咳、くしゃみ、会話などの際にしぶきとなって飛び散り、それを吸い込むことで飛沫感染します。

溶連菌は患者の唾液に含まれているので、食器の共有やコップの回し飲みなどに注意が必要です。

看護をする家族は、マスクが予防に有効です。

 

うがいや抗菌薬のトローチも効果があります。

なお、溶連菌に対するワクチンはなく、予防接種はありません。

 

仕事復帰の目安

一般的に、溶連菌感染症と診断された場合は、抗生物質を処方されます。

抗生物質を服用してから24時間が経過すれば、他の人には感染しにくくなり、2、3日経てば感染のリスクはないと言われています。

しばらくは喉の痛みが続くことが多いですが、熱が下がっていれば、感染のリスクはないので出勤可能となります。

 

そのため、溶連菌感染症を発症した場合、抗生物質服用開始から2,3日後が仕事復帰の目安となります。

ただし、これはあくまでも目安であり、医者から「感染のリスクは低いので出勤してもいいですよ」と言われるまでは自宅療養となります。

また、会社によっては、治癒証明書が必要な場合もあるので、出勤前に総務部などに問い合わせてみてください。

 

抗生物質を内服すると1~2日で症状は緩和しますが、熱や喉の痛みなどの自覚症状がなくても、抗生物質は5~10日ほど服用を続ける必要があります。

そうしないと、喉に溶連菌が残って、急性腎炎やリウマチ熱などの重い合併症を起こしたり、他の人に感染することもあります。

抗生物質による治療が終了したら、喉の粘液を検査して、溶連菌がいないことを確かめます。

 

また、溶連菌にかかってから約2週間後には、尿検査を受けて、急性腎炎を発病していないか調べます。

これらの検査については医師から指示があるので、忘れずに検査を受けるようにしてください。

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