ヘルパンギーナは、高熱と口腔粘膜の水疱や潰瘍を主症状とした夏風邪の一つです。

今回は、ヘルパンギーナの流行時期や2017年の流行状況について解説します。

 

ヘルパンギーナの流行時期

ヘルパンギーナは、例年6月~8月頃に流行します。

 

 

 

出典:http://kansensho.jp/pc/article.html?id=IE00000103

 

上のグラフは、2004年から2016年まで間における、ヘルパンギーナの患者数の年間推移を表しています。

このグラフから、ヘルパンギーナの患者数は、第20週頃(5月頃)から急増し、第28週から第32週頃(7月~8月頃)にピークをつけ、その後減少に転じ、第40週頃(10月頃)には収束していることが分かります。

 

5月は、新入生や新社会人などが、環境の変化に適応できないことから、抑うつ、不安感、疲労感、食欲不振、不眠などの5月病と言われる症状が現れる時期です。

慣れない環境での緊張やストレス、疲労の蓄積などから体調を崩しやすい時期でもあるので、大人も夏風邪には注意が必要です。

 

 

2017年の流行状況

 

 

出典:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/herpangina/herpangina/

 

上のグラフは、東京感染症情報センターのサイトから引用しています。

2017年の患者報告数は赤線で示されており、2017年7月時点では、ヘルパンギーナの流行の兆しはないようです。

例年第23週目あたり(6月頃)から報告数が急増するので、今年も夏場に注意が必要です。

 

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ヘルパンギーナの基本情報

次は、ヘルパンギーナの潜伏期間、症状、治療、予防など基本的な情報について説明します。

 

ここでは、ヘルパンギーナを発症したときの症状に加え、以下のような基本情報について解説します。

  1. どんな病気
  2. 感染経路
  3. 潜伏期間
  4. 症状
  5. 合併症
  6. 検査と診断
  7. 治療
  8. 予防

では、各項目について順番に説明します。

 

どんな病気

ヘルパンギーナは、コクサッキーウイルスの感染で起こる夏風邪の一つです。

子供がかかりやすい病気であり、患者の90%以上が5歳以下の乳幼児です。

 

感染経路

ヘルパンギーナは、患者の唾液や糞便による飛沫感染、接触感染、糞口感染によってうつります。

大人が感染する場合、子供の看病をしている親が二次感染するケースがほとんどです。

また、夏バテや睡眠不足、ストレス蓄積などにより、免疫力や抵抗力が落ちているときは、より感染しやすくなります。

夏は、猛暑に加え、帰省や旅行などで疲れが出たり、屋内と屋外の温度差で自律神経が乱れて体に不調が現れたりと、体調を崩しやすい季節なので、特に注意しましょう。

潜伏期間

潜伏期間は3~5日ほどです。

 

症状

ヘルパンギーナにかかると、次のような症状が現れます。

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 吐き気、嘔吐
  • 喉や口蓋垂の痛み
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 口内炎、水疱
  • 倦怠感
  • 関節痛

 

突然39度前後の高熱が出て発症し、喉の上顎の奥の粘膜に水疱ができます。

また、この水疱が破れると潰瘍になります。

そのため、喉の痛みが強くて飲食物はおろか、唾さえ飲み込めない場合もあります。

 

通常は、熱は2~3日で下がり、その他の症状は1週間ほどで治ります。

ただし、大人がかかった場合は、39度以上の高熱が続くなどして、重症化するケースがあります。

ヘルパンギーナは手足口病と症状が似ていますが、手や足に発疹はできません。

 

また、手足口病よりも高い熱が出ることが多いようです。

 

合併症

まれではありますが、ヘルパンギーナは重症化してウィルス性髄膜炎や心筋炎を起こすことがあります。

ウィルス性髄膜炎は、ヘルパンギーナの病原であるコクサッキーウイルスやその他のウィルスが脳脊髄膜に達して炎症を起こすものです。

発熱、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐などに加えて、首の後ろが硬くなって、張ったような感じがあり、首を前に曲げると痛みが生じます。

 

心筋炎は、ウィルスや細菌などの病原微生物が原因で、心臓の筋肉に炎症が生じる病気です。

発熱、鼻水、咳などの風邪に似た症状に加え、下痢や腹痛などの消化器症状、動悸や胸部不快感などが起こります。

さらに心膜炎を合併すると、胸痛が現れます。

 

重症化すると、呼吸困難、血圧低下、意識障害、ショック状態などを示す場合もあります。

ヘルパンギーナをただの夏風邪だと侮ってはいけません。

髄膜炎や心筋炎が疑われる症状が現れたら、速やかに医療機関を受診しましょう。

 

検査と診断

ほとんどは、高熱や口腔内の水疱、潰瘍、炎症などの特徴的な症状から臨床的に診断されます。

 

治療

有効な薬はなく、対症療法が中心となります。

高熱や強い痛みに対しては、解熱鎮痛剤を用います。

夏場に流行する病気であり、喉の痛みもあいまって、水分不足による脱水症状に注意しなければなりません。

 

口内の水疱や口内炎により、飲食ができない場合は、点滴で栄養補給することがあります。

 

予防

ヘルパンギーナへの感染予防には、次のような方法があります。

  • 歯磨きやうがい用のコップを子供と分ける
  • ハンドタオルやバスタオルを共有しない
  • 部屋の換気をこまめに行う
  • 栄養バランスに気をつけ、睡眠時間を確保する
  • 帰宅時のうがい、手洗いの励行
  • 人混みでのマスク着用

 

なお、ヘルパンギーナは、高熱や喉の痛みなどの症状が治まった後も、数週間はウィルスが排出されており、特に便には1か月ほどウィルスが含まれていると言われています。

そのため、回復してもしばらくは周囲に感染させないよう、マスクを着用したり、洗面所のタオルを共有しないなどの対策が必要です。

 

まとめ

ヘルパンギーナは、例年6~8月の夏季に患者数が急増する夏風邪です。

夏に流行するとはいえ、5月頃から患者数が増え始めるので、流行期以外でも帰宅時の手洗いやうがいを励行するなど感染症の予防を怠らないことが大切です。

ヘルパンギーナは、強い喉の痛みや高熱を特徴としており、大人が感染した場合はときに39度を越える高熱が続き、重症化することもあります。

 

ただの夏風邪だと思って油断しないようにしてください。

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