代表的な夏風邪の一つであるプール熱は、目の充血・痛み、咽頭痛、発熱などを特徴としたウィルス感染症です。

熱は、39度以上の高熱が数日間続くこともあり、できれば感染したくない厄介な流行病の一つです。

また、夏風邪に分類されるので夏にだけ流行するのかと思いきや、冬に流行することもあります。

 

今回は、プール熱の流行時期や2017年の流行状況について解説します。

 

プール熱の流行時期

 

 

 

出典:http://www.kenkou.pref.mie.jp/topic/intou/intou.htm

 

上のグラフに示したように、プール熱(咽頭結膜熱)は、5月頃から患者が増加し始め、6~8月にピークを迎え(黒色点線部)、その後徐々に収束に向かいます。

ただし,プール熱の原因となるアデノウィルスは年中活動しているため、夏場だけでなく、近年では冬季に小さな流行を起こしています。(赤色点線部)

 

プール熱は、通常発熱により発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感などが現れ、咽頭痛や結膜充血、眼痛なども出現します。

目の充血や痛みは、片方から始まり、その後もう片方にも症状が現れます。

プール熱の主要症状は、結膜炎、咽頭痛、発熱の3つです。

 

上記の症状が現れたら、内科や小児科を受診してください。

目の症状が強い場合は、眼科にも相談しましょう。

 

次に、プール熱の2017年の流行状況についてチェックしておきましょう。

 

2017年の流行状況

 

 

出典:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/pcf/pcf/

 

上のグラフは、東京感染症情報センターのサイトから引用しています。

2017年のプール熱の患者数の推移は、赤色線で示されており、3月下旬時点では、流行の兆しはないと判断できます。

ただし、例年14~19週目(4月~5月)にかけて患者数が急増しています。

 

この時期は、入園、入学、入社など新しい環境での生活がスタートし、緊張やストレスから肉体的、精神的な疲れが溜まりやすい時期にあたります。

プール熱は、子供が感染しやすい病気ですが、大人でも抵抗力や免疫力が低下している場合は、発症することがあります。

そのため、手洗いやうがいなど、基本的な感染症対策を怠らないようにしましょう。

 

追記

2017年7月現在、プール熱の患者数は昨年を上回っていますが、すでにピークをつけて減少に転じているように見えます。

ただし、油断は禁物ですので、夏バテなどで体力や抵抗力を落とさないよう注意してください。

 

プール熱の基本情報について

ここでは、プール熱の感染経路、潜伏期間、症状、検査、治療、予防など基本的な情報について詳しく説明します。

 

どんな病気

プール熱は、アデノウィルスへの感染で起こる感染症であり、晩春から夏に流行する夏風邪の一つです。

 

プール熱は、保育園児や幼稚園児、小学生などがかかりやすい病気であり、患者の約60%が5歳以下の子供です。

子供に多い病気ですが、過労や睡眠不足、ストレス過多などで、免疫力や抵抗力が低下している場合は、大人でもプール熱にかかることがあります。

 

なお、免疫力が低下していても、体内にプール熱の抗体を持っていれば発病しませんが、プール熱の原因となるアデノウィルスにはいくつかの種類があり、異なる型に感染した場合は、発病する可能性があります。

プール熱の原因となるアデノウィルスは主に3型ですが、1、4、7、14型でもプール熱を発症することがあります。

つまり、3型の免疫を持っていたとしても、その他の型に感染して発病することがあります。

 

ちなみに、発熱を起こすのは3、4型、胃腸炎は31、40、41型、結膜炎は1、2、3、4、6、7型、肺炎は3、7、21型です。

 

感染経路

プール熱は、咳・くしゃみ・会話などで飛び散る唾液や鼻水などによる飛沫感染、および呼吸器分泌物や糞便、嘔吐物、目やにによる接触感染でうつります。

なお、ウィルスの侵入門戸は、口、上気道、目(目の結膜)です。

学校のプールで集団感染することが多いですが、保育園や幼稚園、老人施設などで流行することがあります。

また、プール熱は感染力が強いので、子供から親にうつることもあります。

 

潜伏期間

プール熱の潜伏期間は、3~7日ほどですが、まれに無症状のまま数年にわたって感染が持続するケースもあります。

sponsored link

症状

一般的に、プール熱の症状は大人も子供も同じであり、以下のような症状が現れます。

  • 寒け
  • 39~40度の発熱
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • 喉の痛み、咳、痰、鼻水
  • 下痢、腹痛、吐き気
  • 目の充血、ゴロゴロした痛み、目のかゆみ、涙、目ヤニ、まぶしさ

 

プール熱は、最初は発熱で始まることが多く、熱は3~4日ほど続きます。

そして、咽頭炎や結膜炎、胃腸炎などの症状が現れます。

大人がプール熱にかかった場合は、子供よりも症状が軽いことが多く、たいていは1週間ほどで治ります。

 

なお、アデノウィルスは感染力が強いため、子供の看病をしている大人にうつることがあります。

大人が発症する場合も、子供と同様に高熱に始まり、結膜の充血や喉の痛みが強くなります。

 

検査

プール熱は、問診、検温、喉や目の診察などにより診断されます。

はっきりしない場合は、アデノウィルスの迅速診断キットを使えば、30分ほどで結果が出ます。

 

治療

プール熱には特効薬がないので、対症療法を行いながら、自然に治るのを待ちます。

対症療法では、熱には解熱剤、目の症状には点眼剤が用いられます。

熱が高い場合は、子供は小児科、大人は内科を受診し、目の症状が強い場合はどちらも眼科を受診しましょう。

 

喉の痛みが強くて食事や水分補給ができない場合や、下痢を起こしている場合は、脱水気味になりやすいので、こまめに水分補給をすることが大切です。

また、高齢者など体力や抵抗力が低い人は、症状が悪化したり、肺炎を合併して重症化することもあるので、注意が必要です。

 

登園・出席・出勤

プール熱は、学校保健法で第二種の学校感染症に指定されており、結膜炎、咽頭痛、発熱などの主要な症状が消えてから2日を経過するまでは登園・登校は停止と定められています。

大人の場合は法的な規定はありませんが、就業規則で出勤の可否について言及していることがあるので、就業規則をチェックしたり、総務部などに問い合わせてみてください。

出勤する場合でも、咳やくしゃみ、会話などでウィルス飛沫を周囲に撒き散らさないよう、マスクを着用するなどの配慮は必要です。

また、会社の給湯室などにあるタオルや食器は使わないようにしましょう。

 

治癒証明書が必要な場合は、受診した医療機関で発行してもらえます。

 

予防

プール熱の感染を予防するには、以下の点に留意することが大切です。

  • 帰宅時のうがいや手洗いを励行する
  • 目をこすらない
  • 食事前や排便後に手洗いをする
  • お風呂やプールに入る前にシャワーでお尻をよく洗う
  • タオルの共有や貸し借りをやめる
  • 外出時にはマスクを着用する
  • 免疫力や抵抗力が落ちないように睡眠や食事に注意する

 

プール熱は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、手指に付着したウィルスによる接触感染によってうつります。

そのため、流行時期には特に手洗いやうがいを励行しましょう。

 

また、前述の通り、アデノウィルスは、目の結膜からも侵入します。

流行時期には、様々なところにウィルスが潜んでいる恐れがあり、知らず知らずのうちに手指にウィルスが付着してしまうことがあります。

そのため、外出先などで目をこすらないようにしましょう。

 

アデノウィルスは便に排出され、症状が治まった後も、喉からは2週間程度、便からは1か月ほどウィルスが排出されるので、回復してもしばらくは周囲への配慮が必要です。

 

 

まとめ

プール熱は、5月頃から患者が増加し始め、6~8月にピークをつけて、その後は徐々に収束に向かいます。

ただし,近年では、夏場だけでなく、冬季にも流行することがあるので油断は禁物です。

結膜炎、咽頭痛、発熱などの主要症状が現れたら、早めに医療機関を受診しましょう。

sponsored link