溶連菌感染症では、処方された抗生物質を服用すれば、たいていは数日で症状が改善するものです。

しかし、まれに咳や痰がひどくなったり、熱が下がらなかったりすることがあります。

この場合は、溶連菌による合併症を起こしている可能性があります。

 

今回は、溶連菌感染症で咳が止まらなくなる原因について解説します。

 

溶連菌で咳が止まらないのはなぜ?

溶連菌感染症で咳が止まらなくなるのは、急性気管支炎や肺炎などを併発している可能性が考えられます。

溶連菌感染症にかかると以下のように様々な病気を合併することがあります。

咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱、中耳炎、副鼻腔炎、伝染性膿痂疹、蜂窩織炎、丹毒、急性気管支炎肺炎、敗血症、トキシックショック症候群、乳様突起炎、リンパ節炎、急性腎炎、リウマチ熱など

 

急性気管支炎は、ウィルス、細菌、マイコプラズマなどの病原微生物が気管支の粘膜に感染し、急性の炎症が生じるものです。

咳や痰の症状が強く起こるのが特徴です。

 

次に、肺炎は、ウィルス、細菌(肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラなど)、真菌、その他の病原微生物(マイコプラズマやクラミジア)が肺の最も奥に存在する肺胞に感染するものです。

咳、痰、発熱、悪寒、息苦しさ、胸の痛み、膿性痰などが典型的な症状です。

 

そもそも、溶連菌感染症の代表的な症状は、38~39度の発熱と喉の痛みです。

その他では、発疹、いちご舌、頭痛、腹痛、首のリンパ節の腫れなどが見られます。

溶連菌感染症は、通常の風邪とは異なり、咳や鼻水はほとんど出ません。

 

そのため、咳が止まらない、または咳が長引く場合は、気管支炎や肺炎を合併している恐れがあります。

実際に、溶連菌感染症にかかった際に肺炎を併発したという事例は、SNSや質問サイトでもよく報告されています。

 

一般的に、溶連菌感染症では抗生物質を内服してから、1~2日程度で症状はよくなります。

そのため、処方された薬を飲んでも熱が下がらない、咳がひどくなるなど、症状が改善しない場合は、別の病気を発症している恐れがあるので、早めに医師に相談してください。

 

ちなみに、肺炎を発症している場合は、胸部X線写真で陰影を確認することが診断の最大の根拠となります。

他にも、血液検査、痰の検査、尿検査などが行われることがあります。

 

なお、細菌が原因の肺炎は、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が使われます。

マイコプラズマやクラミジアによる肺炎、レジオネラ肺炎では、ペニシリン系やセフェム系の薬は効かないので、マクロライド系やテトラサイクリン系の薬が用いられます。

 

次に、溶連菌感染症で熱が下がらない原因や対処法について解説します。

 

溶連菌の熱はいつまで続く?

溶連菌にかかると、5日ほどの潜伏期間を経て、喉の痛みや38~39度の発熱が現れます。

しかし、通常は抗菌薬を飲み始めてから2~3日ほどで解熱し、喉の痛みなどの症状も和らいでいきます。

SNSで溶連菌にかかった人の体験談をチェックすると、やはり一般的に言われているように、薬を服用してから数日で熱が下がるケースが多いことが分かります。

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熱が下がらない原因

前述の通り、溶連菌による発熱は、薬を飲めば数日でよくなるはずですが、2~3日経っても熱が下がらない場合は、次のようなことが考えられます。

  1. 薬が効いていない
  2. 急性気管支炎や肺炎
  3. リウマチ熱

では、順番に説明します。

 

薬が効いていない

抗生物質を服用し始めても発熱や喉の痛みなどの症状が改善されない場合は、薬が効いていない疑いがあります。

そもそも、溶連菌には抗原が異なる菌が80種類以上もあります。

処方された抗生剤が効かない菌に感染している可能性があり、その場合は別のタイプの抗生物質に変えてもらう必要があります。

 

また、細菌ではなくウィルス感染症にかかっていることも考えられます。

溶連菌感染症が流行する時期は秋から春にかけてであり、例年この期間にはインフルエンザや風邪、ノロウィルスなども流行ります。

溶連菌感染症による高熱で体力や免疫力が低下したことにより、インフルエンザなどのウィルス感染症にかかっている可能性があります。

 

ウィルスには抗生物質は効かないので、自分の免疫力に頼るしかありません。

ただし、インフルエンザの場合、発症から48時間以内であれば、タミフルやイナビルなどのワクチンを接種することで、ウィルスの増殖を食い止め、軽い症状で済むこともあるので、早めに病院で検査を受けてください。

 

急性気管支炎や肺炎

溶連菌感染症では、急性気管支炎や肺炎を合併することがあります。

咳や痰の症状が強くなったり、黄色い痰が出るようになった場合は、急性気管支炎を併発している可能性があります。

また、38度以上の発熱、悪寒、咳、痰、胸痛などの症状が続く場合は、肺炎の疑いもあります。

 

ただし、高齢者の場合は、症状が現れにくく、発熱しないこともあります。

 

リウマチ熱

リウマチ熱は、喉に溶連菌の感染を繰り返しているうちに発病する病気で、一種のアレルギー反応によって生じる炎症です。

抗生物質が発達した現在の日本では発生は減っていますが、溶連菌が流行しているときは、感染している人の2~3%がこの病気になると言われています。

リウマチ熱は、溶連菌による咽頭炎や扁桃炎の後、2~3週間後に、全身のだるさ、食欲不振、38~39度の発熱、関節痛などが現れます。

 

膝、足、股、手、肘、肩などにある大きな関節がおかされ、赤くなったり、腫れをともなうことがあります。

1~5日で、痛みところが移動するのが特徴です。

また、輪状紅斑という発疹も現れます。

 

これは、不規則な紅斑で始まり、次第に輪のような形になる発疹で、胴体や手足に見られます。

発病して1~2週間すると、半数近くが心炎を起こします。

頻脈や心臓の拡大などが起こり、心電図の異常が見られます。

 

この炎症が心臓の弁膜を傷害することがあり、心臓弁膜症を引き起こすことがあります。

リウマチ熱の治療では、安静と保温が原則となります。

また、抗生物質の筋肉注射もしくは内服を行います。

 

なお、リウマチ熱や急性腎炎など、溶連菌による合併症を防ぐには、処方された抗生物質を医師の指示通りに最後まで飲みきることが重要です。

 

熱が下がらない場合の対処法

病院で溶連菌と診断されると、抗生物質の他に解熱剤を処方される場合があります。

その際に、医師から「38.5度以上の熱が出た場合に使ってください。」などと具体的に指示されるはずなので、高熱が出た場合は解熱剤を使います。

高熱が出ずに微熱の場合は、氷枕で首の後ろを冷やすなどして、解熱するのを待ちます。

 

ただし、前述の通り、抗生剤を服用してから数日経っても解熱しない場合は、薬が効いていないことや合併症を起こしている可能性もあるので、再受診の必要があります。

 

さて、次は溶連菌感染症による喉の痛みについて説明します。

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喉の痛みはいつまで続く?

溶連菌感染症の代表的な症状といえば、咽頭炎や扁桃炎による喉の痛みと38~39度の発熱です。

この病気は、喉の痛みで始まり、その後発熱、食欲不振、発疹、いちご舌などの症状が現れます。

特に喉の痛みは激しく、人によっては飲食物を飲み込めないほどに痛むこともあります。

 

では、この苦痛はいつまで続くのでしょうか?

一般的には、抗生物質(アモキシシリンエリスロマイシンなど)を服用してから、2~3日ほどで喉の痛みは和らぎ、熱も下がると言われています。

SNSで溶連菌にかかった人の体験談を見ても、薬を内服してから数日で喉の痛みは緩和することがわかります。

 

ただし、溶連菌のタイプによっては、1週間ほど喉の痛みが続くケースもあります。

次に、溶連菌で喉が痛いときの対処法について説明します。

 

喉が痛いときの対処法

溶連菌感染症で喉の痛みが強いときには、次のような対処法があります。

  1. 鎮痛薬
  2. マスク
  3. うがい
  4. 喉にいい食べ物

では、順番に説明します。

 

鎮痛薬

溶連菌感染症で病院を受診すると、抗生物質の他に、喉の痛みを和らげる鎮痛薬が処方されるはずです。

喉の痛みが強い場合は、鎮痛薬を服用しましょう。

 

マスク

喉の痛みを悪化させないためには、喉の乾燥を防ぐことも大切です。

寝るときには、呼吸が苦しくならず、就寝中に喉を保湿してくれる市販のぬれマスクがおすすめです。

 

うがい

溶連菌感染症では、病院でアズレンなどのうがい薬を処方されるはずなので、喉が痛いときはうがいをしましょう。

こまめにうがいをすることで、痛みが楽になることもあります。

なお、うがい液ではイソジンも有名ですが、イソジンは殺菌消毒作用があるので感染症などの予防目的で使われます。

 

アズレンは抗炎症作用があるので、すでに炎症を起こしている場合に、炎症を沈めたり、腫れや痛みを和らげたりする効果が期待できます。

 

喉にいい食べ物

喉の痛みには、蜂蜜大根、生姜紅茶、梨ジュースなどがよいと言われています。

まず、蜂蜜には殺菌、傷の治療、疲労回復、喉の保湿などの効能があります。

大根は、咳止め、喉の炎症、声がれ、喉あれなどの改善に効果があるとされています。

 

生姜は、体を温める、免疫力を高める、去痰、発汗、鎮咳、解熱、鎮痛、消炎、抗菌、抗ウィルス、解毒など様々な効能を有しています。

梨は、咳、痰、咽喉頭炎による喉の痛みや声がれなどを和らげるとされています。

例えば、梨ジュースに蜂蜜と生姜の絞り汁を加えると、喉にいい食べ物を同時に3つ摂れます。

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